伝説の騎士エルロンド【ファミコン】徹底解説|1988年発売・イギリスのレア社が作った洋ゲー原作の中世ファンタジーアクション

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はじめに|「洋ゲー移植作」と聞いて警戒するなかれ——軽快に遊べる佳作

※記事内の画像は全てイメージです。実際の製品・写真とは異なります。

1988年7月15日、ジャレコからファミリーコンピュータ向けに定価5,500円(税抜)で発売された『伝説の騎士エルロンド』は、イギリスのゲームメーカー・レア社が開発し、1987年に北米でアクレイム(Acclaim)から「Wizards & Warriors」(ウィザーズ&ウォーリアーズ)のタイトルで発売されたNES用アクションゲームの日本語ローカライズ版です。

「洋ゲーの移植作」と聞くと高難易度を警戒してしまうのが当時の常識でしたが、本作は「多少クセは感じるものの軽快な操作性、複雑そうで意外にシンプルなシステムなど、わりと気軽に遊べる佳作」と評されており、その評価は今も変わりません。暗めで独特の世界観、宝石を集めなければボスと戦えない斬新な仕組み、印象的なBGM——日本のアクションゲームとは一線を画す英国風ファンタジーの雰囲気を持つ本作について、基本情報から開発の背景・ゲームシステム・評価まで詳しく解説いたします。


第1章|基本情報・スペック

複数の公的ソースで確認した基本スペックは以下の通りです。

項目詳細
タイトル伝説の騎士エルロンド
原題Wizards & Warriors
機種ファミリーコンピュータ(FC)
発売日1988年7月15日
発売元ジャレコ
開発元日本マイコン開発(NMK)/原作開発:レア社(Rare)
ジャンルアクション(サイドビュー横スクロールアクション)
定価5,500円(税抜)
容量1MB+64KRAM
権利表記©1988 NMK ©1987 ACCLAIM ENTERTAINMENT INC.

日本版は原題「Wizards & Warriors」をジャレコがライセンスを取得し、日本マイコン開発(NMK)が日本語ローカライズの開発作業を担当して発売した作品です。権利表記にある「NMK」が日本マイコン開発の略称であり、「ACCLAIM ENTERTAINMENT INC.」が北米での発売元です。なお原作を開発したレア社は、後に「ゴールデンアイ 007」「バンジョーとカズーイの大冒険」などの名作で知られるようになるイギリスのゲーム開発会社です。


第2章|原作「Wizards & Warriors」とレア社について

本作の原作となる「Wizards & Warriors」は、1987年にレア社(Rare Ltd.)がイギリスで開発し、アクレイムが北米向けNES用ソフトとして発売したアクションゲームです。

レア社はイギリスのゲーム開発会社であり、当時は任天堂と密接な関係を持っていたことでも知られています。「Wizards & Warriors」はシリーズ化されており、全4作品が北米で発売されましたが、日本ではシリーズ第1作にあたる本作(日本版タイトル:伝説の騎士エルロンド)のみが発売され、2作目以降は日本では発売されていません。

原作はレア社が手がけた本格的な中世ファンタジー世界を舞台としており、全体的に暗めで独特の雰囲気を持つゲームデザインは、当時の日本製アクションゲームとは一線を画すものでした。「全体的なステージの印象はとても暗めで日本人では考えつかない独特の世界観が楽しめるゲーム」という評価は、洋ゲーならではの個性を端的に表しています。

なお、日本版と英語版ではいくつかの違いが存在します。英語版はライフがゲージ制で残機制なのに対し、日本版ではライフが数値で表され、ライフが0になると即ゲームオーバーという設計に変更されています。また敵キャラやアイテムの配置も若干異なり、特に最初のステージは日本版の方が敵が大幅に少ない設計になっています。


第3章|ストーリー|七人の姫を救え、暗闇と恐怖の森へ

本作のストーリーは、中世ヨーロッパ風のファンタジー世界を舞台にした正統派の救出劇です。

ジャローヌ地方の王国メルラドに、悪の魔法使い「ブラック・アニス」が現れます。ブラック・アニスは国の財宝をすべて奪い、さらに七人の美しい姫君たちを連れ去ってしまいました。国王は国中の騎士たちをブラック・アニスが住む「ヒュドラ城」へと向かわせましたが、ヒュドラ城が建つ「暗闇と恐怖の森」に近づくにつれ、ほとんどの者が恐怖に駆られて逃げ出してしまいます。

そこで立ち上がったのが、勇敢な青年騎士「エルロンド」です。プレイヤーはエルロンドを操り、悪の魔法使いブラック・アニスを倒して奪われた財宝と七人の姫君を取り戻すために「暗闇と恐怖の森」へと踏み込んでいきます。

ゲームの説明書には「森林・洞窟・城壁・城の中を敵を倒しながら進み、捕らわれの七人のお姫様を助けてゆく」と記されており、王道の中世ファンタジーの冒険が全7ステージにわたって展開されます。


第4章|ゲームシステム詳細|宝石収集・アイテム・セレクトボタンの隠し機能

基本的なアクション

本作はサイドビュー(横スクロール)方式のアクションゲームです。主人公エルロンドを操作し、剣を武器に敵を倒しながらステージを進んでいきます。基本的な操作はジャンプと剣攻撃で、軽快な操作性は「洋ゲー移植」という印象から予想するよりも扱いやすい設計となっています。

なお、剣の先端に攻撃判定が付いている仕様があり、剣を振らなくても剣先が敵に触れるだけで倒せる場合があるという特徴も確認されています。

宝石収集とボス戦の仕組み

本作の最も特徴的なシステムが「宝石(ダイヤ)を集めなければボスと戦えない」という設計です。

各ステージには一定数の宝石が散りばめられており、ステージの最後に待ち構えているボスのところへ行くには、まずステージ内で規定数の宝石を集め、「赤い騎士」を止める(撃退する)必要があります。宝石が足りない状態でボスのいる部屋の扉の前に来ても、ボスとの戦闘に入ることができません。

ステージをただ前進するだけでなく、探索しながら宝石を集めるという要素が加わることで、単純な一本道のアクションゲームとは異なる戦略性と探索の楽しさが生まれています。「アドベンチャーの要素も面白かった」という評価は、この宝石収集システムを指しています。

鍵とアイテムの探索

宝石のほかに「鍵」も重要な収集要素です。鍵を集めてあちこちの扉や宝箱を開けることが攻略の基本となります。宝箱の中には武器・防具・薬・宝石・不思議な能力を持つアイテムが隠されており、これらを活用することで冒険が有利に進みます。

主な装備・アイテムとして確認されているのは以下の通りです。

武器・装備類

  • 剣(基本武器)
  • 力のつえ・魔法棒(攻撃アイテム)
  • 防具類(ライフ防御に関わる)
  • ラッパ(後述のセレクトボタン機能と連動)

消費アイテム

  • 薬(回復)

セレクトボタンの隠し機能

本作には、セレクトボタンで発動する2種類の隠し機能があります。

エルロンドを消す(ラッパ装備時以外の場合):セレクトボタンを押すとエルロンドの姿が一時的に消えて、敵からのダメージが軽減されます。完全な無敵ではありませんが、ピンチの場面での防御手段として機能します。

隠し扉の強制表示(ラッパ装備時):ラッパという特殊なアイテムを持っている状態でセレクトボタンを押すと、画面上にある隠し扉を強制的に出現させることができます。ただしこの効果が役立つ場面は少ないため、「素直に力のつえや魔法棒を持っておくほうがいい」という実践的なアドバイスも残されています。

ライフシステム

日本版のライフは数値で表示されており、ライフが0になると即ゲームオーバーとなります(英語版はゲージ制+残機制)。ライフの管理が本作の難易度に大きく影響するため、薬などの回復アイテムの活用が重要です。


第5章|各ステージの舞台と全体構成

本作は全7ステージ構成で、ステージごとに異なる環境が用意されています。

説明書では「森林・洞窟・城壁・城の中」という環境が示されており、外界から始まってブラック・アニスが支配するヒュドラ城の内部へと徐々に進んでいく構成となっています。それぞれのステージには独自の敵配置・トラップ・ボスが用意されており、同じような場面が続かない飽きさせない設計となっています。

ステージが進むにつれて難易度も上昇し、敵の攻撃パターンやトラップへの対処が求められるため、後半ステージでは「やりごたえ」を感じる場面も増えていきます。


第6章|発売当時の評価と現在の評価

ゲーム誌「ファミコン通信」のクロスレビューでは26点(満40点)という評価でした。「ファミリーコンピュータMagazine」の読者投票による「ゲーム通信簿」では16.19点(満30点)という結果でした。

現在の評価としては「洋ゲーの移植作。多少クセは感じるものの軽快な操作性、複雑そうで意外にシンプルなシステムなど、わりと気軽に遊べる佳作」というまとめが示す通り、佳作として再評価されています。「BGMも短めながら印象的な曲が揃っている」という音楽面の評価も高く、中世ファンタジーの雰囲気をファミコンの音源で見事に表現しています。

ユーザー投票では「良ゲー5票・クソゲー4票」と評価が拮抗しており、好みが分かれる作品でもあることがわかります。原作のレア社らしい独特の世界観に親しみを感じるかどうかが、評価の分岐点となっているようです。


第7章|ジャレコというメーカーと本作の立ち位置

本作を発売したジャレコは「燃えろ!!プロ野球」シリーズや「忍者じゃじゃ丸くん」シリーズなどで知られるファミコン時代の人気メーカーです。本作はジャレコのラインナップの中では「洋ゲーライセンス移植作」という珍しい立ち位置を持っています。

なお後年、本作の開発に関わった日本マイコン開発(NMK)は「魔魁伝説」(1988年・ジャレコ発売のアーケード用アクションRPG)の開発にあたって本作の影響を受けているとされており、本作がNMKの後の作品に与えた影響も確認されています。


第8章|現在のレトロゲームとしての価値

本作は現在の中古レトロゲーム市場で比較的入手しやすい価格帯で流通しており、ソフト単体では数百円〜千円台から、箱・説明書付きの完品では数千円程度で取引される事例が確認されています。

バーチャルコンソールなどのデジタル配信は行われていないため、プレイするにはファミコン実機とカートリッジが必要です。「Wizards & Warriors」シリーズは北米ではシリーズ全4作が展開されましたが、日本ではこの第1作のみが発売されているため、シリーズのコレクションを揃えたいファンにとっては起点となる一本でもあります。


まとめ|イギリスのレア社が作った、独特の世界観と軽快な操作性を持つ中世ファンタジーアクション

『伝説の騎士エルロンド』は、1988年7月15日にジャレコからファミリーコンピュータ向けに定価5,500円(税抜)で発売されたアクションゲームです。イギリスのレア社が開発した北米版「Wizards & Warriors」(1987年)を、日本マイコン開発がローカライズした移植作品として、全7ステージにわたって勇敢な騎士エルロンドが悪の魔法使いブラック・アニスに挑む冒険が描かれています。

宝石を一定数集めなければボスと戦えないという探索型の要素、セレクトボタンによる隠し機能、鍵と宝箱によるアイテム探索、そして独特の暗い中世ファンタジーの世界観——「洋ゲー移植」のイメージから警戒は無用で、ファミコン通信26点が示す通り、しっかりと遊べる佳作です。後に数々の名作を生み出すレア社の1987年の仕事をファミコンで体感できる、貴重な一本としてぜひ手に取ってみてください。


(出典 Youtube)


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