ディープダンジョン III 勇士への旅【ファミコン】徹底解説|1988年発売・スクウェア×ハミングバードが作った3Dダンジョンシリーズ初のパーティ制RPG

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はじめに|ディスクシステムからROMカートリッジへ——シリーズが変わった一本

※記事内の画像は全てイメージです。実際の製品・写真とは異なります。

1988年5月13日、スクウェアからファミリーコンピュータ向けに定価5,900円で発売された『ディープダンジョン III 勇士への旅』は、3DダンジョンRPGシリーズ「ディープダンジョン」の第3作です。

本作には、シリーズにとっていくつかの大きな「初めて」がありました。第1作『魔洞戦記』(1986年)と第2作『勇士の紋章』(1987年)がファミリーコンピュータ ディスクシステム用ソフトとして発売されたのに対し、本作はシリーズ初のROMカートリッジでの発売となりました。それに伴いバッテリーバックアップによるセーブが内蔵され、ディスクシステム独自の機能への依存から解放されています。さらにシリーズ初の4人パーティ制が導入され、シリーズ初の魔法使用も可能になるなど、ゲームシステムが大幅に進化しています。

ウィザードリィ系の3Dダンジョン探索とRPGの王道要素を組み合わせた本作は、方眼紙片手にマップを自力で描きながら暗い迷宮を進む、正統派ダンジョンRPGの醍醐味を味わわせてくれます。本記事では、基本情報からシリーズの位置づけ・ゲームシステム・評価まで詳しく解説いたします。


第1章|基本情報・スペック

複数の公的ソースで確認した基本スペックは以下の通りです。

項目詳細
タイトルディープダンジョン III 勇士への旅
機種ファミリーコンピュータ(FC)
発売日1988年5月13日
発売元スクウェア
開発元ハミングバードソフト
ジャンルロールプレイングゲーム(ダンジョンRPG)
定価5,900円
セーブバッテリーバックアップ内蔵
プレイ人数1人
権利表記©1988 スクウェア

開発を担当したのはハミングバードソフト(Hummingbird Soft)です。ディープダンジョンシリーズの開発はすべてハミングバードソフトが手がけており、第1・2作の発売元がDOG(スクウェアが提唱したパソコンゲームメーカー7社による組織)だったのに対し、本作の発売元はスクウェア直販となっています。

なお本作の翌年(1990年)に発売された第4作『ディープダンジョン IV 黒の妖術師』はアスミックからの発売となっており、スクウェアブランドとしてのディープダンジョンは本作のみです。


第2章|ディープダンジョンシリーズとは|ファミコン初の3DダンジョンRPG

本作を理解するために、シリーズの歴史を整理いたします。

ディープダンジョンシリーズは、1986年に第1作がファミリーコンピュータ ディスクシステム用ソフトとして発売されたことで始まりました。Wikipediaによれば「全編3DのRPGとしてはファミコン初の作品」であり、当時の日本でウィザードリィ(PC版)の人気が高まっていた中、ファミコンでも本格的な3DダンジョンRPGを楽しめる作品として注目を集めました。

シリーズ4作の流れ

作品発売年媒体発売元
ディープダンジョン 魔洞戦記1986年12月19日ディスクシステムDOG
ディープダンジョン II 勇士の紋章1987年5月30日ディスクシステムDOG
ディープダンジョン III 勇士への旅(本作)1988年5月13日ROMカートリッジスクウェア
ディープダンジョン IV 黒の妖術師1990年4月6日ROMカートリッジアスミック

第1作・第2作はディスクシステムという媒体を活かしたセーブ機能やBGM消音機能を持っていましたが、本作からROMカートリッジに移行したことで、ディスクシステムを持たないユーザーも遊べるようになりました。


第3章|ストーリー|勇剣士を目指す青年の試練

ストーリーの詳細についてはピコピコ大百科・ファミコンショップお宝王の記述で確認できる内容は以下の通りです。

勇剣士(ゆうけんし)を目指す青年となり、国の危機を救うため魔物が徘徊するダンジョンの探索に挑むというシンプルながら骨太な設定です。プレイヤーはパーティを組んでダンジョンの中でレベルを上げながら、クリアのヒントとなる情報を求めて冒険していきます。

舞台は洞窟・塔などのダンジョンで、世界には暗闇の脅威が迫っています。「勇士への旅」というサブタイトルが示す通り、一人前の勇士へと成長していく過程がゲームのテーマです。


第4章|ゲームシステム詳細|シリーズ初の4人パーティ制と魔法

シリーズ初の4人パーティ制

本作最大の変更点が、シリーズ初となる「4人パーティ制」の導入です。前2作は単独の主人公が戦う形式でしたが、本作では最大4人のパーティを組んで戦うことができます。パーティ構成を考えながら進めるという、より戦略的なプレイが可能になりました。

「4人パーティーになり、戦闘シーンも簡単なシミュレーションに変更された」という評価が示すように、単純な1対1の戦闘だけでなく、パーティ全体での戦術が求められる戦闘システムへと進化しています。

シリーズ初の魔法使用

本作からシリーズ初めて「魔法」を使うことができるようになりました。魔法使いをパーティに加えることで多彩な戦術が生まれますが、魔法使いはHPが低く、低レベル時には敵の攻撃一発で昇天してしまう危険性もあります。このリスクとリターンの駆け引きも本作の面白さのひとつです。

3D視点のダンジョン探索

ゲームの基本は、ウィザードリィに代表される3D視点でのダンジョン探索です。自分が今どこにいるのかを把握するために、方眼紙に手書きでマップを描きながら進むという、昭和のRPGファンには懐かしい「マッピング」作業も本作の醍醐味のひとつとなっています。

ダンジョンの種類としては洞窟や塔などがあり、それぞれ雰囲気の異なる探索体験ができます。

独特のエンカウントシステム

本作では「歩いていなくても、その場で止まっていても時間が経つと敵とエンカウントする」という仕様が採用されています。これは立ち止まってマップを描いている間にも敵と戦闘になるという、ダンジョン探索に緊張感を加える要素となっています。

バッテリーバックアップによるセーブ

前作まではディスクシステムのセーブ機能に依存していましたが、本作からはROMカートリッジにバッテリーバックアップが内蔵されており、任意の場所でセーブができるようになりました。

主人公死亡によるゲームオーバー

本作の難易度を高める要因のひとつが「主人公が死亡するとゲームオーバー」という仕様です。他のパーティメンバーが生存していても、主人公が倒れた時点でゲームオーバーとなります。特にLV1時点では敵の攻撃1発で昇天してしまう可能性があるため、慎重な進行が求められます。


第5章|スクウェアとハミングバードソフトの関係

「ファイナルファンタジー」でRPGの王道を歩んでいくことになるスクウェアが、本作を発売した1988年当時はまだ試行錯誤の時期にありました。

スクウェアが提唱・参加したDOGというグループはパソコンゲームメーカー7社で設立され、ディープダンジョンシリーズの第1・2作を手がけていました。本作はそのDOGブランドを離れ、スクウェア単独での発売となっています。開発担当のハミングバードソフトはシリーズを通じてディープダンジョンの開発に携わっており、3DダンジョンRPGというジャンルにおいて独自の技術とノウハウを蓄積していたスタジオです。

なお本作と同年の1988年には、スクウェアからもう一つの歴史的なRPG「ファイナルファンタジー II」が発売されています(1988年12月17日)。日本のRPGの歴史において重要な1988年に生まれた一本として、本作はスクウェアの歴史の中に位置づけられます。


第6章|発売当時の評価

本作は発売当時、ゲーム誌から賛否が混在する評価を受けています。

「ファミコン通信」のクロスレビューでは5・6・8・5の合計24点(満40点)という評価でした。レビュアーからは「移動時の矢印などウィザードリィとの類似性を指摘した上で、なにもそこまでしなくても」と否定的に評価する声があった一方、「ゴミの山から宝が出現する発想には驚きで飽きないゲームだ」と肯定的に評価する声もありました。

「ファミリーコンピュータMagazine」の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は17.49点(満30点)でした。

一部では「シリーズ4作中最も出来栄えに問題がある」という厳しい意見もある一方で、「特に悪くもない普通の作品」「ウィザードリィと比べると劣るが」という評価もあり、ウィザードリィやドラゴンクエストという強力なライバルが存在した時代における評価の難しさがうかがえます。


第7章|現在のプレイ環境と市場価値

本作はオークファンの落札相場によれば、ヤフオクでの平均落札価格は710円程度と、他の1988年発売のファミコンRPGと比較しても比較的入手しやすい価格帯で流通しています。

駿河屋では「新品定価より4,080円安い」という表記があり、定価5,900円から大幅に値下がりした価格での取引が行われています。希少なプレミアソフトではありませんが、ファミコンの3DダンジョンRPGというジャンルのコレクターや、スクウェアの全作品を集めたいコレクターには欠かせない一本です。

バーチャルコンソールなどデジタル配信での再販は確認されていないため、現在プレイするにはファミコン実機と実物のカートリッジが必要です。


まとめ|スクウェアが残した3DダンジョンRPGの足跡

『ディープダンジョン III 勇士への旅』は、1988年5月13日にスクウェアからファミリーコンピュータ向けに定価5,900円で発売されたRPGです。ハミングバードソフト開発によるシリーズ第3弾として、シリーズ初のROMカートリッジ発売・シリーズ初の4人パーティ制・シリーズ初の魔法使用という、複数の革新をもたらした作品です。

ウィザードリィへの敬意を感じさせる3Dダンジョン探索、主人公死亡によるゲームオーバーという緊張感あふれるシステム、方眼紙を片手にマップを描く昭和RPGの醍醐味——現代のゲームに慣れたプレイヤーには高いハードルがあるかもしれませんが、3DダンジョンRPGのルーツを探る旅として、ぜひ手にとってみてください。


本記事に記載の発売日・価格・開発元・ゲームシステム・評価情報は、Wikipedia(ディープダンジョンの項目)、ピコピコ大百科、ファミコンショップお宝王、懐ゲードットコム、ユウキのRPG日記(攻略ブログ)、オークファン、ゲームモンスターサイト(gamemonster.futene.net)に基づいております。

(出典 Youtube)


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