ダンジョン&マジック Swords Of Element【ファミコン】徹底解説|1989年発売・全画面3DリアルタイムRPGの異色作を振り返る

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はじめに|ファミコンで全フィールドが3Dという衝撃

※記事内の画像は全てイメージです。実際の製品・写真とは異なります。

1989年11月10日、ナツメからファミリーコンピュータ向けに定価6,500円で発売された『ダンジョン&マジック Swords Of Element』は、タウン・ワールドマップ・ダンジョンのすべてを3Dで表現したという、当時のファミコンとしては異色中の異色ともいえるリアルタイム3DダンジョンRPGです。

「ダンジョン&マジック」というタイトルから『ダンジョンズ&ドラゴンズ』や『マイト・アンド・マジック』を連想する方もいらっしゃるかもしれませんが、本作はナツメのオリジナル作品です。さらに「Swords Of Element」というサブタイトルも付けられており、迷宮・魔法・剣・素子(エレメント)という要素をすべて詰め込んだ意欲作であることがタイトルからも伝わってきます。

文字を組み合わせて魔法を発動させる独自システム、キャンプで食料と水を消費して回復するサバイバル要素、そして全フィールドのリアルタイム進行——これらが組み合わさった本作は、プレイヤーを選ぶ高難易度の一方、当時のファミコンとしては確かに「斬新」であったと評されています。本記事では、基本情報からゲームシステムの詳細・評価まで詳しく解説いたします。


第1章|基本情報・スペック

複数の公的ソースで確認した基本スペックは以下の通りです。

項目詳細
タイトルダンジョン&マジック Swords Of Element
機種ファミリーコンピュータ(FC)
発売日1989年11月10日
発売元ナツメ
ジャンルロールプレイングゲーム(RPG)
定価6,500円
容量ROM 128K・RAM 128K
型番NAT-DM
プレイ人数1人
権利表記©1989 ナツメ

発売元のナツメは、1987年ごろからファミコン向けのゲームソフト発売に参入した日本のゲームメーカーです。本作を含め、「アバドックス」「KAGE 闇の仕事人」「カオスワールド」など、ハードなアクションゲームやRPGを多数発売し、硬派なゲームラインナップで知られていました。


第2章|ストーリーと世界観|「悪夢」という衝撃の設定

グラーデス王国の少年「ヤーム」が本作の主人公です。ヤームはダーセス(魔王)を滅ぼすための聖剣「トレス」を求めて旅立ちます。魔王ダーセスに勝利して王国に平和を取り戻すことがゲームの目的となっています。

しかし本作のストーリーには、他のファミコンRPGにはない衝撃的な仕掛けが存在します。ヤームのHPが0になりゲームオーバーになると、最後にセーブした宿屋に戻される——ここまでは通常のRPGと同様ですが、「これまでの行いが全て水の泡になる。つまり、ヤームの見た悪夢だったとされる」という設定が採用されています。

この「ゲームオーバーはヤームが見た悪夢だった」という構造は、ゲームとナラティブを絡め合わせた遊び心のある設計であり、1989年のファミコンRPGとしては珍しい発想のものでした。


第3章|最大の特徴|全フィールドが3Dのリアルタイム進行

本作の最大の個性は、ゲームフィールドのすべてが3Dで表現されているという点です。当時のファミコンRPGは鳥瞰(俯瞰)マップが主流であり、3Dダンジョンを採用した作品はウィザードリィ系のゲームを除けば極めて珍しい存在でした。

本作では町の中・ワールドマップ・ダンジョン内すべてにおいて3D視点(一人称視点または三人称視点に近い形式)で移動が行われます。さらにモンスターとの戦闘もリアルタイムで進行するため、移動中も常に緊張感を保つ必要があります。

このリアルタイム3D全フィールドという設計は「城、町、フィールドが3Dダンジョン風なのは凄い」と評価されました。一方で「一歩一歩マッピングして進まないと迷う」「視界が正面のみで狭くてすぐそばにアイテムがあっても気付かないことがある」「リアルタイムに進行するのは素早く進む必要があるためRPGとの相性が悪いのではないか」という指摘も記されており、斬新さとプレイしにくさの両面がはっきりと現れています。


第4章|ゲームシステム詳細|文字組み合わせ魔法とサバイバル要素

リアルタイム戦闘とアイコン操作

戦闘はリアルタイムで進行し、武器をアイコンで選択して戦う形式です。コマンド選択型のターン制バトルが主流だった1989年のファミコンRPG市場において、リアルタイム戦闘の採用は差別化要素のひとつでした。

ただし操作がそこそこ忙しいうえにマッピングも必須級という二重の負担があり、全体的なハードルは高くなっています。

独自の文字組み合わせ魔法システム

本作の魔法システムは、「記号(文字)を組み合わせて魔法を作成する方式」という独自の設計を採用しています。攻撃魔法・補助魔法など多彩な魔法が用意されており、どの記号をどう組み合わせるかがプレイヤーに委ねられています。

さらに特筆すべきは「魔法を使う際はHPを消費するため、HPを回復する魔法はない」という仕様です。MPとHPが独立している一般的なRPGとは異なり、攻撃と回復がどちらもHPを消費するというリソース管理の設計は、ゲームにリアリティと厳しさの両方をもたらしています。

キャンプによる回復と食料・水の管理

回復はキャンプを張ることで行われます。この際に食料と水を消費するというサバイバル的な管理要素が組み込まれており、探索の計画性が求められます。

宿屋でのセーブも重要な要素であり、ゲームオーバー時には最後にセーブした宿屋の状態まで巻き戻されます。前述の「悪夢」設定と組み合わさって、セーブポイント管理がゲームプレイの緊張感を生み出しています。

マッピング必須の迷宮探索

3Dダンジョン形式である本作では、自分で地図を描きながら進む「マッピング」が事実上必須となっています。ゲーム内にはオートマップや簡易マップ機能が提供されておらず、プレイヤー自身がノートやグラフ用紙を使いながら構造を把握していく必要があります。

これは1980年代のPC-RPG(ウィザードリィ等)の文化を引き継いだ設計ですが、ファミコンのコントローラーで進むリアルタイム3Dダンジョンでのマッピングは、当時のプレイヤーに相当な労力を要求しました。

着せ替え感覚のアイテム装備

厳しいシステムが多い本作ですが、アイテムの装備については「着せ替え人形のようで楽しい」という好意的な評価も残されています。装備品を変えることで見た目が変わるシステムは、現代のRPGでも当たり前となっている要素ですが、1989年当時のファミコンRPGとしては視覚的な楽しさを提供する工夫のひとつでした。

町人との会話が謎解きの鍵

謎解き要素については「町の人の話を逐一聞いていけばだいたいわかる。はず」という記録があり、NPC(ノンプレイヤーキャラクター)との会話が攻略の手がかりを提供する設計となっています。


第5章|発売当時の評価|斬新さと難しさへの賛否

「マル勝ファミコン」(角川書店)の新作ソフト体温計では6・5・6・6の合計23点という評価を受けています。

3D全フィールドという技術的な挑戦と斬新さは高く評価された一方、マッピング必須の操作負担・狭い視野・リアルタイム進行とRPGの相性の悪さという問題点も同時に指摘されており、その評価は賛否の混在するものでした。

ファミコンソフト一覧(mobajie.com)の後年のユーザー投票では「良ゲー1票・クソゲー12票・合計13票」という厳しい評価となっており、操作の難しさとマッピングの負担が長く語り継がれる評価を生んでいます。


第6章|北米版との違い|「Dungeon Magic: Sword of the Elements」

本作は北米向けにもNES(ファミコンの欧米版)向けに「Dungeon Magic: Sword of the Elements」として発売されました(Wikipedia記述より)。タイトルが若干異なり、「Swords」が「Sword」に、「Of Element」が「of the Elements」と変更されています。発売元は北米でもタイトー(TAITO)が担当しており、欧米市場にも展開された国際的なタイトルです。


第7章|現在のレトロゲームとしての位置づけ

定価6,500円で発売された本作は、1989年のファミコンソフトとしては高めの価格帯に属していました。流通量がそれほど多くなかったこともあり、現在の中古レトロゲーム市場では箱・説明書付きの完品はやや希少な傾向があります。

「ダンジョン&マジック」という名称の知名度の高さ(D&Dやマイト・アンド・マジックを想起させる)に対してゲームそのものは非常にマイナーという不思議なポジションを持つ本作は、「ナツメのレアソフト」「1989年の異色3DRPG」として一部のレトロゲームファンから注目を集めています。


まとめ|1989年のファミコンで全画面3Dを実現した意欲作

『ダンジョン&マジック Swords Of Element』は、1989年11月10日にナツメからファミリーコンピュータ向けに定価6,500円で発売されたRPGです。町・ワールドマップ・ダンジョンのすべてを3Dで表現し、リアルタイムで進行するという、当時のファミコンとしては異例の設計を持つオリジナル作品です。

文字を組み合わせて魔法を作成するユニークなシステム、HPを消費して魔法を使う独自のリソース管理、食料と水が必要なキャンプ回復、着せ替え感覚の装備品、そして「ゲームオーバーは悪夢だった」という独特のナラティブ設計——多くの独自要素が詰め込まれた本作は、操作の難しさとマッピングの負担という高いハードルゆえに多くのプレイヤーが苦労した作品でもあります。

レトロゲームの探求者にとっては、1989年のファミコンがどこまで挑戦できたかを体感できる、貴重な一本といえます。


本記事に記載の発売日・価格・ゲームシステム・評価情報は、Wikipedia(ダンジョン&マジックの項目)、Weblio辞書(同Wikipedia転載)、ファミコンゲームカタログ(gamecatalog.net)、ピコピコ大百科、コンシューマーゲーム大辞典、レトロゲームの説明書保管庫、ファミコンソフト一覧(mobajie.com)、イマダファミコンboom(アメブロ)に基づいております。

(出典 Youtube)


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