ディーヴァ ストーリー6 ナーサティアの玉座【ファミコン】徹底解説|1986年発売・7機種連動という前代未聞の宇宙叙事詩

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はじめに|「アクティブ・シミュレーション・ウォー」という新ジャンル

※記事内の画像は全てイメージです。実際の製品・写真とは異なります。

1986年12月5日、東芝EMIからファミリーコンピュータ向けに定価5,500円で発売された『ディーヴァ ストーリー6 ナーサティアの玉座』(英題:DAIVA IMPERIAL OF NIRSARTIA)は、T&Eソフト(T&E SOFT)が1986年から1987年にかけて展開した、7つのストーリーを7つの異なる機種で発売するという前代未聞のマルチプラットフォームシリーズ「ディーヴァ(DAIVA)」のファミコン担当作品です。

「ただのシミュレーションでもシューティングでもない。そうアクティブ・シミュレーション・ウォー」——当時のパッケージに記された言葉の通り、本作は横スクロールのアクションシューティングで惑星を攻略する「惑星戦パート」と、戦略を練る「艦隊戦パート」を同一のゲーム内で融合させた、1986年のファミコンソフトとしては革新的な設計を持つ一本です。

さらに「WAR DATA」と呼ばれるパスワードを他機種に入力することで、異なる機種間でデータを連携させるという、ファミコンとパソコンをつなぐクロスメディアの構想は、当時のPC誌・ファミコン誌を巻き込んで大きな話題を呼びました。本記事では、基本情報からシリーズの全体像・ゲームシステム・現在のプレイ環境まで詳しく解説いたします。

なお、タイトルは「ディーヴァ(DAIVA)」が正式表記です。「ディーバ」と表記される場合がありますが、「ディーヴァ」が正確です。


第1章|基本情報・スペック

Wikipedia・懐ゲードットコム・ゲームカタログ(gamecatalog.net)など複数の公的ソースで確認した基本スペックは以下の通りです。

項目詳細
タイトルディーヴァ ストーリー6 ナーサティアの玉座
英題DAIVA IMPERIAL OF NIRSARTIA
機種ファミリーコンピュータ(FC)
発売日1986年12月5日
発売元東芝EMI(現・ユニバーサルミュージック)
開発T&Eソフト(T&E SOFT)
ジャンルアクション・シミュレーション
定価5,500円
容量1Mbitロムカートリッジ
型番TFS-DV
プレイ人数1〜2人
権利表記©1986 東芝EMI

音楽は浅倉大介さん・丸山恵市さん・冨田茂さんが担当しています。特に浅倉大介さんはその後にリリースされたアレンジサウンドトラックでもプログラミングを手がけており、本シリーズと深い関わりを持っています。


第2章|ディーヴァシリーズとは|7機種連動という前代未聞の構想

本作を理解するために、まずシリーズ全体の構想について解説いたします。

ディーヴァ(DAIVA)は、T&Eソフトが展開した「共通の世界観設定を持つ7つのストーリーで構成され、各ストーリーが異なる機種でリリースされる」という、当時としては前代未聞のマルチプラットフォームシリーズです。

タイトルの「ディーヴァ」は、サンスクリットで「神」を意味する「デーヴァ(Deva)」に由来しており、用語や人物名にもサンスクリット由来の神話的な響きが散りばめられた宇宙叙事詩として設計されています。

7つのストーリーと7つの機種

ストーリーとそれぞれの対応機種は以下の通りです(Wikipedia・ニコニコ大百科で確認)。

ストーリー主人公対応機種
STORY1X1
STORY2MSX
STORY3MSX2
STORY4FM77AV
STORY5PC-8801mkIISR
STORY6マータリ=シュバンファミリーコンピュータ
STORY7クリシュナ=シャークPC-9801VM/UV

つまりファミコン版はシリーズ第6章を担当しており、7つの中でも最も先に市場に出た作品(1986年12月)として、多くの人がシリーズで最初に触れた章が「第6章」だったという、独特の経緯を持っています。

WAR DATAによる機種間連動

本シリーズ最大の革新的要素が「WAR DATA」システムです。「WAR DATAと呼ばれるパスワードによりプレイヤーの戦力データをそのまま他機種へ引き継ぐことができる。これにより他機種から援軍を送り込み、艦隊戦での艦隊増強や惑星戦での2人同時プレイを行うことが可能」という設計が採用されています。

ファミコンで稼いだ戦力データを、パソコン版の別ストーリーに引き継ぐことができるという構想は、「世界初!完全データ互換でパソコン仲間とコミュニケートできる」(当時のゲームカタログコピーより)というキャッチコピーで宣伝されました。なお、WAR DATAはファミコン版の最高難度LEVEL4でしかなかったことも記録されています。


第3章|ストーリー|宇宙海賊マータリ=シュバンの戦い

ファミコン版STORY6のストーリーは、宇宙を舞台にしたスペースオペラです。

舞台は帝国軍のシヴァ=ルドラが支配する星間国家。プレイヤーが操る主人公は、紫苑の海賊のキャプテン「マータリ=シュバン」です。彼は帝国艦隊に抗いながら、謎の双惑星「ナーサティア」へ至る航路をこじ開けていく旅に出ます。

ゲームの目的は、惑星マップ上のどこかに存在する「ナーサティア双惑星」を見つけ出し、そこを攻略することです。道中では帝国軍の艦隊との戦いや、タイムリミット的な役割を果たす「ヴリトラ製造惑星」の破壊なども求められます。

「ディーヴァ」の名が指すのは、ストーリー7の主人公クリシュナ=シャークが最終的に思い出す「4000年前に現れた救世主」の存在です。7つのストーリーはそれぞれの視点から銀河の陰謀に迫るという、壮大な多角的叙事詩として設計されています。


第4章|ゲームシステム詳細|3つのパートが織りなすアクティブ・シミュレーション

星間移動パート(宇宙マップの航行)

プレイヤーはまず、宇宙空間に広がるマップ上を自機で移動します。↑キーで加速、↓キーで減速、←→キーで方向転換というラジコン式の操作で宇宙を航行し、攻略する惑星や艦隊に向かいます。二人同時プレイ時は、このマップが上下2分割で表示されます。

また「ヴリトラ」製造惑星という、タイムリミット的な要素が本パートに緊張感を加えています。ヴリトラ製造惑星を放置して完成させてしまうと、母星が攻撃されてゲームオーバーになるため、惑星攻略の合間を縫って都度破壊しなければなりません。破壊するたびに別の場所で製造が開始されるという、繰り返しの緊張感が本作の特徴のひとつです。

惑星戦パート(横スクロールアクションシューティング)

マップから惑星に侵入すると、横スクロールのアクションシューティングが展開されます。この「惑星戦」で敵を撃破して惑星を制圧(占拠)することで、そのエリアを支配下に収めます。

アクションシューティングとシミュレーションが同一のゲームの中で融合していることが、当時のゲームとしては非常に斬新な要素でした。「アクティブ・シミュレーション・ウォー」という独自のジャンル名は、このアクション要素を持つシミュレーションという概念を端的に表しています。

艦隊戦パート(シミュレーション)

艦隊に遭遇すると、シミュレーション形式の「艦隊戦」が展開されます。戦力データの分析と戦略の立案を行いながら、敵艦隊を撃破して情報を入手したり、制圧した惑星を防衛したりします。

難易度設定

ゲーム開始時にLEVEL1〜4の4段階の難易度を選択できます。前述の通り、WAR DATAの出力は最高難度のLEVEL4でのみ可能という設計になっていました。


第5章|東芝EMIという異色の発売元

本作の発売元である東芝EMI(現・ユニバーサルミュージック)は、主に音楽レコードレーベルとして知られる企業ですが、ファミコン時代には複数のゲームソフトを発売していた珍しい経歴を持ちます。

開発は京都のゲームメーカーであるT&Eソフトが担当しました。T&Eソフトは主にパソコン向けのゲームを手がけていたメーカーで、ディーヴァシリーズもパソコン6機種への展開が主軸となっており、ファミコン版はそのシリーズの中で唯一の家庭用ゲーム機向けタイトルです。


第6章|当時の評価と歴史的意義

「7機種にまたがる連動ストーリー」という構想は、当時のPC誌とファミコン誌の双方を巻き込んで大きな話題を呼びました。しかしニコニコ大百科の記述にもある通り「余程の経済力がない限りは全機種を揃えることは困難なため、全てプレイしたというユーザーは少なかった」という実情もあり、商業的には野心的な構想が完全な形で結実するには至りませんでした。

ゲームとしての評価について、レトロゲームの説明書保管庫では「壮大なスケールの物語が展開されるスペースオペラ・シミュレーション。アクション要素や2人協力プレイなど、シミュレーションとしては珍しいシステムが搭載されている。ファミコン版はいろいろと簡略化されている。とはいえゲーム中のヒントは少なめなため、説明書はしっかり読んでおこう」と評されており、パソコン版と比較した際のファミコン版の制約も正直に記されています。

ゲームシステムの革新性と壮大な世界観設計は今日でも高く評価されており、懐ゲードットコムでは「ゲームの世界観を越えて広がる構想力。7機種連動という浪漫」という評価が記録されています。


第7章|現在のプレイ環境|Nintendo Switch Onlineで遊べる

本作は現在、複数の方法でプレイできる環境が整っています。

Nintendo Switch Online:レトロゲームの説明書保管庫の記述によれば、本作は現在Nintendo Switch Onlineで遊ぶことができます。

プロジェクトEGG:PC版の4機種分が配信されているほか、全機種版を収録した「ディーヴァ・クロニクル Re:」(ACTIVE SIMULATION WAR DAIVA CHRONICLE RE:)がD4エンタープライズからPC向けに2019年9月に発売されました。

ディーヴァ・クロニクル:2003年12月11日にボーステックより、全機種版をひとつにまとめた作品として発売されています。


まとめ|7機種連動という浪漫——1986年の宇宙叙事詩が今よみがえる

『ディーヴァ ストーリー6 ナーサティアの玉座』は、1986年12月5日に東芝EMIからファミリーコンピュータ向けに定価5,500円で発売されたアクション・シミュレーションゲームです。T&Eソフト開発による7機種連動のスペースオペラ「ディーヴァシリーズ」のファミコン担当作として、惑星戦アクションシューティング・艦隊戦シミュレーション・宇宙マップ航行という3つのパートを融合させた「アクティブ・シミュレーション・ウォー」という独自ジャンルを標榜しています。

WAR DATAによるファミコンとパソコン間のデータ連動という革新的な構想と、浅倉大介さん・丸山恵市さん・冨田茂さんによるサウンド、サンスクリット由来の神話的な世界観設計——1986年のファミコンソフトとしては際立って野心的なこの一本が、現在Nintendo Switch Onlineで手軽に体験できます。ぜひ宇宙海賊マータリ=シュバンとしてナーサティア双惑星への航路をこじ開ける旅に出てみてください。


本記事に記載の発売日・価格・容量・型番・ゲームシステム・シリーズ情報は、Wikipedia(DAIVAの項目)、Weblio辞書(同Wikipedia転載)、レトロゲームの説明書保管庫、ピコピコ大百科、ニコニコ大百科(DAIVAの項目)、ピクシブ百科事典(DAIVAの項目)、懐ゲードットコム、ゲームカタログ(gamecatalog.net)に基づいております。

(出典 Youtube)


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