千代の富士の大銀杏【ファミコン】徹底解説|1990年発売・昭和の大横綱を目指す育成相撲ゲームの全貌

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はじめに|「まわし」の駆け引きが光る、ファミコン屈指の相撲ゲーム

※記事内の画像は全てイメージです。実際の製品・写真とは異なります。

1990年12月7日、フェイスからファミリーコンピュータ向けに定価5,800円(税抜)で発売された『千代の富士の大銀杏』は、昭和の大横綱・千代の富士さんを冠した相撲育成シミュレーション+アクションゲームです。

「稽古して強くなり、本場所で勝ち越して番付を上げ、最終的に横綱・千代の富士さんに挑む」というシンプルかつ骨太なゲーム設計は、格闘アクションと力士育成シミュレーションを融合させたものとして、当時のファミコンスポーツゲームの中でも個性的な一本でした。

特に注目されるのが「まわし」の概念を取り入れた戦闘システムです。当時の相撲ゲームとしては珍しく、まわしを掴むか・掴まれるかという攻防がゲームに深みを与えており、単純な連打やレバガチャで済まない戦略性が評価されています。本記事では、基本情報から千代の富士さんの実像・ゲームシステム・各モードの詳細まで詳しく解説いたします。


第1章|基本情報・スペック

複数の公的ソースで確認した基本スペックは以下の通りです。

項目詳細
タイトル千代の富士の大銀杏
機種ファミリーコンピュータ(FC)
発売日1990年12月7日
発売元フェイス
ジャンルスポーツ(アクション・育成シミュレーション)
定価5,800円(税抜)
プレイ人数1〜2人
権利表記©1990 FACE

「大銀杏(おおいちょう)」とは、力士が結う代表的な髷(まげ)のことで、まさに力士の象徴ともいえる名称です。タイトルの「千代の富士の大銀杏」には、千代の富士さんのような大横綱を目指して大銀杏を結える力士へと成長することへの思いが込められています。


第2章|千代の富士さんとは|昭和を代表する大横綱

本作の顔となる千代の富士 貢さん(以下、千代の富士さん)について、本作の背景を理解するために解説いたします。

千代の富士さんは、昭和から平成にかけて活躍した第58代横綱です。身長183cmと力士としては比較的小柄な体格でありながら、驚異的な腕力と鍛え抜かれた上半身の筋肉による強引なまわし業と肩の怪我を克服した豪腕ぶりで、「ウルフ」の異名をとりました。

通算1045勝、幕内最多優勝31回という輝かしい成績を誇り、1989年には国民栄誉賞を受賞。昭和の大横綱として国民的な人気を誇りました。

本作が発売された1990年12月という時期は、千代の富士さんが現役を引退された1991年5月よりも前の時期、すなわち千代の富士さんが現役横綱として活躍されていた時期にあたります。現役横綱として絶大な人気を誇っていたその時期に発売されたのが本作です。

なお千代の富士さんは2016年7月31日、膵臓がんのためご逝去されました。享年61歳。昭和・平成の大横綱として日本の国技の歴史に永遠に名を刻む偉大な力士でした。


第3章|ゲームの目的|新人力士から横綱へ

本作のゲームの目的は、明快です。

プレイヤーは新人力士となって、四股名と顔のカスタマイズを行い、稽古で能力を鍛えながら番付を上げていきます。幕下から始まり、次第に番付を昇進させ、最終的には横綱・千代の富士さんへの挑戦を果たすことがゴールとなります。

四股名(しこな)と力士の顔はゲーム開始時に登録・カスタマイズできるため、自分だけの力士キャラクターへの愛着が生まれます。横綱に昇進してゲームクリアすると、力士の錦絵が表示されるエンディングが用意されており、達成感のある締めくくりとなっています。


第4章|ゲームシステム詳細|まわしの駆け引きが生む戦略性

昇進モード・練習モード・対戦モード

本作は複数のモードで構成されています。

メインとなる「昇進モード」のほか、「練習モード」「対戦モード」「観戦モード」も楽しめます。昇進モードは、さらに「幕下モード」と「関取モード」の2つに分かれており、それぞれ難易度とエンディングが異なります。

幕下モードは初心者向けで、難易度が選べるやさしい仕様となっています。一方、関取モードは初期値が低く、力士の育成に時間がかかる難易度の高い設定です。それぞれ異なるエンディングが用意されているため、やり込み要素としてもなっています。

稽古システム|4種類の稽古でステータスアップ

力士を強くするために欠かせないのが稽古です。本作では以下の4種類の稽古が用意されており、それぞれ異なるステータスを伸ばします。

千代の富士との稽古:ゲームのタイトルでもある千代の富士さんと稽古を行います。千代の富士さんを倒した残りタイムに応じて、体力ポイントが増えていきます。

10人抜き:10人の力士を連続して倒すことを目的とした稽古です。制限時間内に倒した人数に応じて、足腰ポイントが増加します。単に倒す数だけでなく、制限時間内の効率も重要です。

ちゃんこ稽古:十字ボタン上の連打によってちゃんこを食べていく稽古です。食べる量に応じて体重ポイントが増えます。素早い連打が重要となります。

柱稽古:AボタンとBボタンを交互に押し続けることで、力士が柱を突っ張る稽古です。突っ張った回数が多いほど腕力ポイントが上がります。

まわしの駆け引き|本作の最大の特徴

本作のアクションパートで最も特徴的なのが「まわし」システムです。

十字キー右+Bボタンで相手のまわしを掴むことができ、「まわしを掴むか・掴まれるか」という攻防がプレイに深みを与えています。まわしを持っていない手は赤く表示されず、両手でまわしを掴んでいないと出せない技も存在します。

気力・体力のメーターの右上に手のマークが表示され、一つだけ紫になっていれば片手まわしを掴んでいることを示します。こうした視覚的なフィードバックが、戦況の把握を助けています。

当時の相撲ゲームにおいてこれほど「まわし」の概念を取り入れた作品は珍しく、単なる連打やレバガチャに終わらないシステムが「なかなかの佳作」と評される理由となっています。


第5章|本場所と昇進システム

稽古で力をつけた後は、本場所での取り組みで番付を上げていきます。

本場所での取り組みで勝ち越しを重ねることで番付が上がり、やがて大関・横綱へと昇進していきます。昇進の条件として、エンディングを迎えるには14勝1敗の成績を2場所連続で収める必要があるとされていますが、条件については各モードで細かい仕様があります。

最終的に横綱への昇進が決まると、クライマックスとして横綱・千代の富士さんとの一番が待ち受けています。これまでの稽古の成果を発揮し、千代の富士さんを倒してゲームクリアを目指します。この「ラスボスとして千代の富士さんが立ちはだかる」という構造が、本作のドラマ性を高めています。


第6章|ゲームとしての評価

本作は、ファミコンの相撲ゲームとしては充実した内容を持つ佳作として評価されています。

「まわし」を取り入れた戦闘システムの独自性、稽古→本場所という相撲の流れを再現した育成システム、幕下モード・関取モードという2段階の難易度、そして四股名と顔のカスタマイズによる自分だけの力士への愛着——これらが組み合わさって、相撲をゲームとして楽しむための要素がバランスよくまとまっています。

Amazon.co.jpのレビューでも4.2点(5点満点)という高い評価を維持しており、当時プレイした世代からの評価の厚さがうかがえます。

一方で、関取モードは難易度が高く、育成に時間がかかる点は覚悟が必要です。また、ラスボスの千代の富士さんが非常に強いため、しっかりと育成を積み重ねた上で挑む必要があります。


第7章|現在のレトロゲームとしての価値

本作は現在の中古レトロゲーム市場では、比較的プレミア価格がついているソフトのひとつです。ふるいちオンラインでは箱・説明書付きの完品が10,978円(税込)前後で販売されている事例が確認されており、ソフト単体でも定価を上回る価格となる場合があります。

価格高騰の背景には、千代の富士さんという昭和の大横綱への根強い人気と、相撲ゲームというニッチなジャンルのソフトの希少性が挙げられます。

相撲ゲームの中でも特に完成度の高い「まわし」システムを持つ本作は、令和の現在でも昭和相撲ファンやレトロゲームファンから注目を集め続けています。


まとめ|昭和の大横綱への挑戦という夢をゲームで体験

『千代の富士の大銀杏』は、1990年12月7日にフェイスからファミリーコンピュータ向けに定価5,800円(税抜)で発売されたスポーツゲームです。第58代横綱・千代の富士さんの引退直後に発売された本作は、新人力士として稽古に励み、番付を上げ、最終的に千代の富士さんへの挑戦を果たすという力士育成シミュレーション×アクションの融合作品です。

「まわし」を取り入れた独自の戦闘システム、4種類の稽古によるステータス育成、幕下・関取の2モードと異なるエンディング——相撲をゲームとして丁寧に再現した本作は、ファミコンの相撲ゲームの中でも佳作として今なお高い評価を受けています。昭和の大横綱の名を冠した伝説の一本を、ぜひ一度体験してみてください。


本記事に記載の発売日・価格・ゲームシステム・評価情報は、ファミコンゲームカタログ(gamecatalog.net)、ピコピコ大百科、ファミコンショップお宝王、レトロゲームの説明書保管庫、れとげ部!、RETRO GAME CATALOG、Amazon.co.jp商品情報、ふるいちオンライン、ファミコンネタ(famicoms.net)に基づいております。

(出典 Youtube)


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