西村京太郎ミステリー ブルートレイン殺人事件【ファミコン】徹底解説!時刻表トリックが光る本格アドベンチャー

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※記事内の画像は全てイメージです。実際の製品・写真とは異なります。

ファミコン黎明期には数多くのミステリーアドベンチャーが登場しましたが、その中でもテレビドラマでおなじみのベストセラー作家・西村京太郎先生の世界観をそのまま移植した意欲作が「西村京太郎ミステリー ブルートレイン殺人事件」です。1989年1月20日にアイレムより発売された本作は、寝台特急を舞台にした殺人事件を、十津川警部・亀井刑事・西本刑事の3人が地道な聞き込みと時刻表トリックの解明によって突き止めていく本格推理ゲームとして、当時のミステリーファンから支持を集めました。今回は本作の基本データからストーリー、システムの特徴、当時の評価まで、事実に基づいてじっくりご紹介していきます。

1.基本情報とスペック

「西村京太郎ミステリー ブルートレイン殺人事件」は、1989年1月20日にアイレムから発売されたファミリーコンピュータ用ソフトです。開発はタムテックスが担当し、ジャンルはアドベンチャー、価格は6,500円(税抜)、カートリッジ容量は3メガビットとなっています。対応ハードはファミリーコンピュータのみで、いわゆるロムカセット形式のソフトとして流通しました。原作は言わずと知れたミステリー作家・西村京太郎先生で、十津川警部シリーズをはじめとするトラベルミステリーの巧みなトリックを、ファミコンというハードの制約の中でどう再現するかが開発陣の腕の見せどころだったと言えるでしょう。発売元のアイレムは、当時アクションゲームやシューティングゲームでも知られたメーカーでしたが、本作のような原作付き推理アドベンチャーにも力を入れていた時期にあたります。

2.原作とゲーム化の背景

西村京太郎先生の作品は、鉄道や時刻表を巧みに使ったトリックが持ち味で、テレビドラマでも長年にわたり十津川警部シリーズとして親しまれてきました。1980年代後半は、堀井雄二氏が手がけた推理アドベンチャーゲームがヒットするなど、家庭用ゲーム機で本格ミステリーを楽しむ土壌がすでに出来上がっていた時期です。そうした流れの中で、実在の人気作家の世界観をそのままゲーム化するという企画は、当時としても大きな注目を集めるものでした。本作はブルートレインという舞台設定を活かし、鉄道ミステリーならではの緊張感をファミコンの画面上で再現しようと試みています。原作小説そのものの完全な移植というよりも、ゲームというメディアに合わせて事件や登場人物が再構成されており、原作の空気感を保ちながらもプレイヤーが自分の手で謎を解いていく体験を重視した作りになっている点が特徴です。

3.ストーリーの内容

物語は、東京発のブルートレイン「はやぶさ」の車内で、私立探偵の井村恭介が何者かに殺害される事件から始まります。捜査にあたるのは十津川警部の指揮のもと動く亀井刑事と西本刑事の2人で、被害者の身元や交友関係を調べていくうちに、事件の背後に5年前の汚職事件が関わっている可能性が浮かび上がってきます。さらに捜査を進める中で、多摩川で発生した別の殺人事件との関連も見えてくるなど、複数の事件が絡み合いながら真相へと近づいていく構成になっているのが特徴です。捜査線上には、汚職事件に関わっていたとされる代議士の盤内や、弁護士の中郷といった人物、さらには清純派アイドル歌手の広森あけみといったキャラクターも登場し、事件はより複雑な様相を見せていきます。容疑者として浮かび上がる人物たちにはいずれも一見完璧なアリバイがあり、プレイヤーはそのアリバイを時刻表や状況証拠をもとに一つひとつ崩していくことになります。

4.ゲームシステムの特徴

本作最大の特徴は、亀井刑事と西本刑事という2人の捜査官を切り替えながら捜査を進める、いわゆるザッピングシステムです。片方の刑事の捜査が行き詰まっても、もう一方の視点から新たな手がかりを得られる仕組みになっており、当時ありがちだった「聞き込みが行き詰まって先に進めなくなる」という推理アドベンチャー特有のストレスをやわらげるよう配慮された設計になっています。加えて、捜査で得た情報を記録できるメモ機能や、指紋を照合して容疑者を絞り込む指紋照合機能も搭載されており、単なる選択肢総当たりのアドベンチャーではなく、実際の刑事のような地道な捜査を疑似体験できる作りとなっています。密室状況で発生した殺人事件のトリックを解き明かす過程では、鉄道の時刻表を根拠にしたアリバイ崩しが重要な役割を果たし、原作者である西村京太郎先生らしいトラベルミステリーの醍醐味がしっかりとゲームシステムに落とし込まれています。捜査を進めるうえで時刻表という一見地味な情報を武器にする体験は、当時の他の推理アドベンチャーにはあまり見られない、本作ならではの魅力となっています。

5.当時の評価と魅力

発売当時、本作は同時期の推理アドベンチャーの中でもグラフィックの完成度が高いと評されており、十津川警部・亀井刑事・西本刑事といったキャラクターの描写にも力が入れられていました。聞き込み中心の展開でありながら、ザッピングシステムのおかげでテンポよく進められる点も、プレイヤーからは遊びやすさとして評価されるポイントでした。密室トリックや時刻表トリックといった、原作小説ならではの謎解き要素をゲームの進行に自然に組み込んでいる点も、当時のミステリーファンから好意的に受け止められた理由のひとつと言えるでしょう。原作ファンにとっては、テレビドラマとはまた違った形で十津川警部シリーズの世界に入り込める一作として、また純粋にファミコンの推理アドベンチャーとしても、堅実に作り込まれたタイトルという印象を残しています。

6.他の推理アドベンチャーとの立ち位置

1980年代後半のファミコンでは、堀井雄二氏の作品をはじめとする推理アドベンチャーが数多くリリースされ、一つのジャンルとして確立していました。その中で本作は、実在の人気作家の名前とキャラクターを冠したいわば原作付きタイトルという特殊な立ち位置にありました。オリジナルの謎解きゲームとは異なり、原作ファンの期待に応えつつ、初めて触れるプレイヤーにも遊びやすいシステムを両立させる必要があったという点で、開発側にも独自の工夫が求められた作品だったと言えます。ザッピングシステムによる詰まりにくい進行や、メモ機能・指紋照合機能といった捜査を補助する仕組みは、そうした課題に対する一つの回答だったのではないでしょうか。

7.まとめ

「西村京太郎ミステリー ブルートレイン殺人事件」は、1989年1月20日にアイレムから発売された、原作の持ち味である時刻表トリックとザッピングシステムを組み合わせた本格ミステリーアドベンチャーです。ブルートレイン車内での殺人事件を発端に、汚職事件や別の殺人事件が絡み合っていく重厚なストーリー展開、そして指紋照合やメモ機能といった捜査を後押しするシステムは、当時のファミコンソフトの中でも独自の存在感を放っていました。西村京太郎先生の作品世界に触れたことがある方はもちろん、鉄道ミステリーやレトロな推理アドベンチャーに興味がある方にも、当時の空気を味わえる一作としておすすめできる作品です。

(出典 Youtube)


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