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1990年3月2日にアイレムから発売されたファミコンソフト「西村京太郎ミステリー スーパーエクスプレス殺人事件」は、人気推理作家・西村京太郎先生の「十津川警部シリーズ」を原作にしたコマンド選択式アドベンチャーゲームです。前作「ブルートレイン殺人事件」に続くシリーズ第2弾として登場した本作は、新幹線の個室で発生した絞殺事件を発端に、亀井刑事が単独で捜査を進めていくというシンプルながら骨太なストーリー構成が特徴です。ファミコン後期の推理アドベンチャーとして、当時どのような仕様と内容だったのか、基本情報からゲームシステム、登場キャラクターまで、当時のファミコンユーザーが知っておきたい情報をじっくり整理してご紹介します。
1.基本仕様まとめ
「西村京太郎ミステリー スーパーエクスプレス殺人事件」の基本情報は以下の通りです。
発売元はアイレムで、開発はタムテックスが担当しています。発売日は1990年3月2日で、対応ハードはファミリーコンピュータ、媒体は2メガビットのカートリッジです。ジャンルはコマンド選択式のアドベンチャーゲームに分類され、定価は6,500円(税抜)でした。1990年前後のファミコンソフトとしては標準的な価格帯であり、当時のアドベンチャーゲームファンにとって手に取りやすいタイトルだったといえます。
原作は西村京太郎先生による「十津川警部シリーズ」で、本作はアイレムが手掛けた同シリーズのファミコンソフトとして第2弾にあたります。前作「西村京太郎ミステリー ブルートレイン殺人事件」に続く作品であり、原作ファンにとっても待望のタイトルとなりました。原作小説は鉄道を舞台にしたトリックや事件展開が持ち味であり、本作もそのテイストを踏襲した内容になっています。
2.ストーリーの発端
物語は、大阪府警にかかってきた1本の電話から動き出します。そこから事件は新幹線をめぐる殺人事件へと発展していきます。舞台となるのは新大阪へ到着した新幹線で、その個室内で絞殺事件が発生したことがきっかけとなり、捜査が始まります。
プレイヤーは亀井刑事となり、現場検証や関係者への聞き込みを重ねながら、事件の真相へと迫っていくことになります。十津川警部シリーズらしい、地道な捜査の積み重ねによって真犯人にたどり着く構成が本作でも踏襲されており、原作小説の雰囲気をゲームならではのテンポで体験できる点が魅力です。新幹線という移動する密室空間を舞台にした事件設定は、鉄道ミステリーを得意とする西村京太郎先生の作風とも相性が良く、原作ファンには親しみやすい導入になっています。
事件の発端となる1本の電話から、捜査の舞台が新幹線という限られた空間へと絞り込まれていく展開は、プレイヤーに次の手がかりを探したくなる推進力を与えてくれます。密室に近い状況での絞殺事件という設定は、容疑者の範囲を自然と限定しやすく、プレイヤーが自分なりに推理を組み立てながら進められる点も本作らしい魅力のひとつです。
3.前作との違い
前作「ブルートレイン殺人事件」では、十津川省三・亀井定雄・西本明という3人の刑事を切り替えながら捜査を進める「ザッピングシステム」が採用されていました。しかし本作ではこのザッピングシステムが廃止され、プレイヤーが操作するのは亀井刑事のみというオーソドックスなスタイルに変更されています。
捜査手法についても変化があり、前作で重要な役割を果たした指紋照合は、本作では1度しか登場しません。その代わりに、モンタージュ写真の作成など、より多彩な捜査手法が取り入れられており、事件解決のアプローチに幅を持たせています。単一の刑事を操作する形式に一本化されたことで、ストーリーの軸がぶれにくくなり、プレイヤーが物語に没入しやすい構成へと調整されたことがうかがえます。
前作でザッピングという目新しいシステムを打ち出した反動か、本作ではあえてシンプルな一本道の捜査スタイルへと立ち返っている点も特徴的です。捜査官を切り替える手間がなくなったことで、亀井刑事という一人の刑事の視点にじっくり感情移入しながらプレイできる構成になっており、原作小説の読後感に近い体験を味わえる作りになっています。ストーリーのボリュームやグラフィックの描き込みも前作から強化されており、シリーズとしての完成度が着実に高まっている点もうかがえます。
4.ゲームシステムと操作方法
本作の基本操作は、十字キーでカーソルを移動させ、Aボタンでコマンドを実行、Bボタンでキャンセルというシンプルな構成です。タイトル画面では「そうさはじめ」と「そうささいかい」を選択でき、途中から捜査を再開することも可能になっています。
プレイヤーは捜査を進める中で「メモをとる」機能を活用しながら情報を整理し、節目ごとに十津川警部へ報告する場面も用意されています。事件の経過を随時整理できる構成になっているため、推理アドベンチャーに不慣れなプレイヤーでもストーリーの流れを把握しやすい作りとなっています。
なお、本作にはゲームオーバーの概念がなく、前作と同様に、詰まってしまってもじっくり腰を据えて捜査を進められる安心感のある設計になっています。コマンド総当たりで進行してしまいがちなジャンルの弱点をカバーしつつ、報告シーンなどでストーリーの節目を意識させる工夫が随所に見られる点も本作の特徴です。
5.登場キャラクターの魅力
主人公は引き続き亀井刑事で、本作では彼を中心に物語が展開していきます。捜査の脇を固めるキャラクターとして、峰竜太氏に似た顔立ちの西本刑事が登場し、捜査の枝葉の部分でサポート役を務めます。地道な捜査劇にユーモラスな彩りを添える存在として印象に残るキャラクターです。
前作でザッピング操作の対象だった十津川警部は、本作では捜査の報告先として登場し、亀井刑事の相棒的なポジションから一歩引いた立場で物語を見守る形になっています。この関係性の変化も、前作からのファンにとっては注目したいポイントです。プレイヤーが亀井刑事として捜査を進め、随時十津川警部に報告するという構図は、原作小説における上司と部下の信頼関係をゲームならではの形で再現していると言えるでしょう。
6.まとめ
「西村京太郎ミステリー スーパーエクスプレス殺人事件」は、1990年3月2日にアイレムから発売された、十津川警部シリーズ第2弾のファミコン用アドベンチャーゲームです。前作のザッピングシステムを廃止し、亀井刑事単独の捜査に一本化したことで、よりストーリーに集中しやすい作りとなっています。指紋照合やモンタージュ写真といった捜査要素、ゲームオーバーのない安心設計など、当時のミステリーアドベンチャーとしての完成度の高さがうかがえる一本です。新幹線という舞台設定や、亀井刑事と十津川警部のやり取りなど、原作小説の魅力をゲームならではの形で味わえる作品でもあります。ファミコン世代で推理アドベンチャーに親しんだ方にとって、あらためて振り返る価値のあるタイトルと言えるでしょう。
(出典 Youtube)
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