虹のシルクロード~ジグザグ冒険記~とは?1991年発売のファミコンRPGを商売システムから解説

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※記事内の画像は全てイメージです。実際の製品・写真とは異なります。

シルクロードを舞台に、戦うだけでなく「商売」で稼いで旅を進めるという、当時としては異色のコンセプトを持ったファミコンソフトがありました。それが1991年にビクターから発売された『虹のシルクロード~ジグザグ冒険記~』です。ドラゴンクエストのような見た目のRPGでありながら、経験値やレベルアップが存在せず、商品の仕入れと販売で得た資金を装備に変えて強くなっていくという独自のシステムを採用しています。この記事では、発売日や発売元といった基本情報から、あらすじ、商売を軸にしたゲームシステム、キャラクターデザインや音楽を手がけた人物、当時の評価まで、公的な情報をもとに順を追ってまとめました。ファミコン後期のRPGに興味がある方や、当時遊んでいた記憶を辿りたい方の参考になれば幸いです。

1.虹のシルクロードとは|基本情報を確認

『虹のシルクロード~ジグザグ冒険記~』は、ビクターから発売されたファミリーコンピュータ用のロールプレイングゲームです。ジャンルはRPGに分類されますが、戦闘よりも商売による資金稼ぎに重点が置かれており、当時のRPGとしてはかなり異色の作品として知られています。タイトルにある「シルクロード」の名の通り、中東からアジアにかけての実在する地域が舞台となっており、各地を巡りながら物資を売買し、資金を貯めていく旅がゲームの中心となります。

2.発売日・価格・発売元などの基礎データ

本作の発売日は1991年2月22日です。発売元はビクター(ビクター音楽産業)で、対応機種はファミリーコンピュータ、ジャンルはロールプレイングゲームとなっています。定価は7,500円で設定されており、当時のファミコンRPGとしては標準的な価格帯に位置しています。開発にあたっては、シルクロードのドキュメンタリーを制作していたNHKサービスセンターが協力しており、実際の地理や文化を踏まえた作り込みがなされている点も特徴のひとつです。

3.物語のあらすじ|王子が虹の鏡を集める理由

物語の舞台は、シルクロードのはずれにある平和な国「リタルランド」です。この国では悪の大臣ズルーによって王が暗殺され、国が乗っ取られてしまいます。まだ赤ん坊だった王子にも危険が迫りましたが、もう一人の大臣ラドリーの手引きによって乳母とともに国外へ逃がされました。さらにラドリーは、王の証である「虹の鏡」を7つに分割し、シルクロードの各地に隠します。それから十余年が経ち、成長した王子は旅の商人として、故国を取り戻すために散らばった7つの鏡を集める冒険へと旅立ちます。単なる勇者の物語ではなく、商人という立場から国を取り戻していく点が、本作のストーリー上の大きな特徴です。

4.商売と冒険が融合したユニークなゲームシステム

本作最大の特徴は、戦闘で敵を倒してもお金が手に入らないという点です。その代わりに手に入るのはLP(ライセンスポイント)で、これを各国の商売許可証と交換することで、その土地の特産物を扱う権利が得られます。安く仕入れた品物を、別の街でより高く売ることで差額を利益として得て、その資金を旅の元手にしていく仕組みです。主人公はあくまで商人という設定のため、経験値を稼いでレベルアップするという要素は存在しません。強くなるためには、購入したり現地で入手したりした武器や防具を装備するしかなく、貯めたお金で荷物運びの動物や傭兵を雇い、隊商そのものを強化していくことになります。また、旅を続けるためには水などの消耗物資が欠かせず、これが尽きると先に進めなくなるため、計画的に商売と補給を進める必要があります。他のRPGであれば敵を倒すだけで金貨が手に入ることが多いですが、本作では各地の町で商売をするか、宝箱やクエストの達成によって手に入れるほかありません。そのため、街ごとの相場をメモしながら把握しておくことが攻略のうえで重要になります。売り買いのタイミングを見極めながら旅を進めるという、当時のRPGとしては珍しい遊び方が本作の核となっています。

5.シルクロードを彩る舞台と登場する人物たち

冒険の舞台となるのは、アラビア、ペルシア、モンゴル、インド、シャム、中国、そしてジパングという7つの地域です。それぞれの街には民族音楽調の楽曲が流れ、地域ごとの雰囲気を演出しています。国ごとに独自のイベントも用意されており、旅の途中ではエジプトのピラミッドに眠るファラオをはじめ、マルコ・ポーロや孫悟空、清朝の装いをしたキョンシーなど、実在の人物や物語上の存在が登場します。時代背景は必ずしも統一されておらず、史実そのままの再現というよりは、シルクロードという舞台を借りたファンタジー色の強い演出になっている点も本作の魅力のひとつです。

6.キャラクターデザインを手がけた榎本一夫さんの仕事

本作のキャラクターデザインを担当したのは、えのんさんこと榎本一夫さんです。本職はグラフィックデザイナーで、その経験が活かされ、敵モンスターのグラフィックはよく練られたデザインになっており、小さなドット絵でありながらそれぞれの個性が丁寧に描き分けられています。榎本さんは週刊少年ジャンプの読者投稿コーナーとして知られるジャンプ放送局のスタッフでもあったことから、本作は開発中に同誌の誌面で紹介されたこともありました。独自の商売システムの調整に時間がかかった影響で発売が延期になったこともあり、誌面で見てから発売まで期間が空いたことを記憶しているファンも少なくないようです。

7.小林亜星さんが手がけた楽曲とNHK交響楽団による幻のCD

音楽を担当したのは、CMソングやアニメ主題歌の分野で数多くの作品を手がけたことで知られる小林亜星さんです。本作は小林さんにとって初めてのゲーム音楽の仕事とされており、ファミコンサウンドへのアレンジは木原龍子さんが担当しました。舞台が中東からアジアにかけての実在する地域であることを反映し、各地の雰囲気を表現するオリエンタルな旋律が随所に盛り込まれています。さらに、NHK交響楽団の演奏による音楽CDも制作されましたが、ゲーム本体が商業的にヒットしなかったこともあり、現在では入手が難しい貴重な一枚として知られています。ゲームソフトとしての知名度に対して、音楽面での作り込みが評価されている点も本作の興味深いところです。

8.発売当時の評価と現在における位置づけ

商売をしながら旅をするというコンセプトは新鮮だった一方で、作業的な繰り返しに感じられる部分もあり、発売当時の評価は決して高いものではありませんでした。仕入れと販売を繰り返して資金を貯めていく過程は、相場を把握するための手間がかかることから、人によって評価が分かれる要素となっています。その一方で、お金を貯める過程そのものに熱中できたという声や、装備だけで主人公を強化していく硬派なシステムを評価する声も見られ、遊び込むほど独自の面白さが見えてくるタイプの作品だといえます。同じ発売元からは、戦闘で直接お金を得られず装備でのみ主人公が強くなるという共通点を持つ『サンサーラ・ナーガ』も発売されており、あわせて振り返ると当時のビクターが目指した方向性が見えてきます。また、シルクロードを題材にしたファミコンソフトとしては、アドベンチャーというジャンルで作られた『東方見文録』も存在しており、同じ題材でもジャンルによって表現の仕方が大きく異なる点も比較すると興味深いところです。

9.まとめ|商人視点で旅するオリエンタルRPGの魅力

『虹のシルクロード~ジグザグ冒険記~』は、1991年2月22日にビクターから発売されたファミコン用RPGで、商売による資金稼ぎと装備強化を軸にした独自のシステムを持つ作品です。リタルランドの王子が虹の鏡を求めてシルクロードを旅するというストーリーに、榎本一夫さんによるモンスターデザインと、小林亜星さんによるオリエンタルな楽曲が重なり合い、他のファミコンRPGとは一線を画す世界観を作り上げています。発売当時の評価は決して華々しいものではありませんでしたが、経験値ではなく商売で強くなっていくという発想は、令和の今あらためて振り返っても新鮮に映ります。ファミコン期のRPGを掘り下げてみたい方は、本作の商売システムに触れてみると、当時ならではの試行錯誤を感じ取れるはずです。

(出典 Youtube)


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