ディジャブ 悪夢は本当にやって来た【ファミコン】徹底解説|1988年発売・記憶喪失の探偵が真実を追うハードボイルドADVの金字塔

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はじめに|マッキントッシュ生まれのハードボイルド推理ADVがファミコンに上陸

※記事内の画像は全てイメージです。実際の製品・写真とは異なります。

1988年11月22日、ケムコ(コトブキシステム)からファミリーコンピュータ向けに定価9,800円(税抜)で発売された『ディジャブ 悪夢は本当にやって来た』は、記憶を失った探偵が自分自身の正体と殺人事件の真相を追うハードボイルドなコマンド選択式アドベンチャーゲームです。

本作の原点は、1985年にアメリカで開発されたMacintosh用アドベンチャーゲームシリーズ「MacVenture」の第1作『Deja Vu: A Nightmare Comes True』にあります。ポイント&クリック式のアドベンチャーゲームとしては最初期の部類に入るこの作品を、ケムコが日本のファミコン向けにローカライズしたのが本作です。

定価9,800円という当時のファミコンソフトとしては異例の高額設定でありながら、ファミコン通信のクロスレビューでシルバー殿堂入りを果たすなど高い評価を獲得した本作について、本記事では基本情報からストーリー・ゲームシステム・後続シリーズまで詳しく解説いたします。


第1章|基本情報・スペック

複数の公的ソースで確認した基本スペックは以下の通りです。

項目詳細
タイトルディジャブ 悪夢は本当にやって来た(DEJA VU: A Nightmare Comes True!!)
機種ファミリーコンピュータ(FC)
発売日1988年11月22日
発売元ケムコ(コトブキシステム)
ジャンルアドベンチャー(コマンド選択式)
定価9,800円(税抜)
メディア3.64メガビットロムカセット
型番KSC-DG
グラフィックすえだきみなりさん
音楽・効果音増野宏之さん
権利表記©1985 1988 ICOM SIMULATIONS, INC. ケムコ

本作のパッケージは、当時の一般的なファミコンソフトのような箱型ではなく、やや大きめのブックサイズという独特の形状を採用していました。価格・パッケージともに、通常のファミコンソフトとは一線を画す「特別な一本」という位置づけだったことがうかがえます。


第2章|原作「MacVenture」シリーズについて

本作の原点となるのは、アメリカのICOM Simulations社が開発したMacintosh用アドベンチャーゲームシリーズ「MacVenture」です。1985年に北米でMacintosh用ソフトとして発売されたシリーズ第1作『Deja Vu: A Nightmare Comes True』は、画面上のアイコンやオブジェクトをマウスでクリックして操作する「ポイント&クリック式」のアドベンチャーゲームとして、世界的に見ても先駆的な作品でした。

その後、本作はAmiga・Atari ST・コモドール64・Apple IIといった当時の各種パソコンプラットフォームへと移植されています。日本国内ではファミコン版に加え、PC98-NXシリーズ向けにもコマンド選択式アドベンチャーとしてローカライズされ、移植されました。


第3章|ストーリー|記憶を失った探偵、エース・ハーディングの戦い

本作の舞台は、1941年12月8日のアメリカ合衆国シカゴで実際に起きた事件をモチーフに作られています。

主人公は元ボクサーの私立探偵、エース・ハーディング。物語は、見知らぬトイレの個室で目を覚ますところから始まります。激しい頭痛の中で記憶をたどろうとするも、自分が何者であるのか、なぜそこにいるのか、すべての記憶が失われていることに気づきます。

意識を失う薬を投与され、トイレに眠らされていたエースは、やがて自分が殺人事件に巻き込まれ、濡れ衣を着せられようとしていることを知ります。追跡の手を逃れながら、自らの潔白を証明し、断片的によみがえる記憶を頼りに「自分が何者なのか」と「事件の真犯人」を突き止めるべく、奔走していくことになります。

シリアスでハードボイルドな作風が貫かれており、後続のローカライズシリーズ作品と比較してもコメディ要素は薄く、終始緊張感のある物語が展開されます。バイオレンスやドラッグといった、当時のファミコンソフトとしては大人びたテーマも盛り込まれており、独特の世界観を形成しています。


第4章|ゲームシステム詳細|自由度の高いコマンド選択式アドベンチャー

コマンド選択方式

本作はコマンド選択型のアドベンチャーゲームです。「移動」「調べる」「開ける」といった基本的なコマンドを駆使しながら、画面上のさまざまな場所やオブジェクトを調査し、事件の手がかりを集めていきます。

アイテムを自分に使うという自由度の高さ

本作の大きな特徴のひとつが、入手したアイテムを「自分自身に使う」ことができるという自由度の高いシステムです。一般的なアドベンチャーゲームではアイテムを環境や他のキャラクターに使うことが中心ですが、本作では多様な使い方が可能であり、プレイヤーの発想力が試される場面が多くあります。

哀愁あふれるケムコサウンド

本作のBGMは、ケムコ作品に特有の哀愁を帯びたサウンドが健在で、ハードボイルドな世界観を音楽面からも支えています。シリアスなストーリー展開と相まって、独自の重厚な雰囲気を醸し出しています。

セオリーを無視した謎解き

本作の謎解きには、一般的なアドベンチャーゲームの「常識」では太刀打ちできない要素が含まれていると評されています。ある程度のゲームの定石を無視しなければクリアが困難な場面もあり、プレイヤーには柔軟な発想が求められます。

舞台となるビルの構造

ゲームの主な舞台は3階建てのビルです。1階のフロントにはジョーズバーがあり、奥にはカジノが存在します。2階はシーゲルのオフィスとなっており、地下は下水道という構造になっています。この限られた空間の中で、エースは記憶と事件の真相を辿っていきます。


第5章|登場キャラクター

本作には個性的な登場人物が複数登場します。

主人公のエース・ハーディングは、元ボクサーという経歴を持つ私立探偵です。映画『風と共に去りぬ』を観たことがあるという人間味のある設定も持っており、愛犬の名前は「タコ」と名付けられています。

その他、エースのボクサー時代のマネージャーであった人物や、バーを経営するジョー・シーゲル、新聞売り場とガンショップの間に現れる謎の人物など、シカゴの裏社会を彩る多彩な脇役たちが物語に深みを与えています。


第6章|発売当時の評価

本作はゲーム誌「ファミコン通信」の「クロスレビュー」(1988年11月25日号掲載)において、シルバー殿堂入りを獲得しました。当時の高額な定価設定にもかかわらず、その内容は十分な評価を受けるものであったことがうかがえます。

ハードボイルドな世界観、自由度の高いシステム、そして当時のファミコンソフトとしては異色のテーマ性が、多くのアドベンチャーゲームファンを惹きつけました。「ちょっとクセがあり、かつカッコイイ世界観」として、推理ゲーム愛好者からの根強い支持を獲得しています。


第7章|続編「ディジャブII」とシリーズの展開

本作の続編にあたる『ディジャブII』も、当初はファミリーコンピュータ用ソフトとして発売予定がありましたが、結果的に発売中止となってしまいました。

しかしその後、1999年10月15日にゲームボーイカラー用ソフト『ディジャブI&II』として、第1作と第2作が合作の形でリリースされています。『ディジャブII』ではラスベガスを舞台に、マフィアに脅されたエースが112,000ドルの行方を追うという新たな物語が描かれており、続編でも本作のキャラクターたちが重要な役割を果たしています。

なお『ディジャブII』では、本作(第1作)に下水道として登場した場所が保健所により封鎖され移動できなくなっているなど、シリーズとしての世界観のつながりも見られます。


第8章|現在のレトロゲームとしての価値

本作は現在、レトロゲーム市場でプレミア価格がついているソフトのひとつです。中古販売では「プレミア価格」と明記される事例も見られ、希少性の高さがうかがえます。

発売当時の定価9,800円という価格に対し、現在の中古市場でも比較的高い水準で取引が行われており、箱・説明書付きの完品はさらに高値となる傾向があります。

ハードボイルドアドベンチャーというジャンルの希少性、ケムコ(コトブキシステム)の代表作としての歴史的価値、そして米国アドベンチャーゲーム史における先駆的な作品の日本版という意義から、レトロゲームコレクターや推理ゲーム愛好者の間で根強い人気を保ち続けています。


まとめ|ファミコンに刻まれた、唯一無二のハードボイルド推理ADV

『ディジャブ 悪夢は本当にやって来た』は、1988年11月22日にケムコ(コトブキシステム)からファミリーコンピュータ向けに定価9,800円(税抜)で発売されたアドベンチャーゲームです。1985年にアメリカで開発されたMacintosh用アドベンチャーゲーム「MacVenture」シリーズ第1作を原作とし、記憶を失った探偵エース・ハーディングが自らの正体と殺人事件の真相を追うハードボイルドな物語が展開されます。

自由度の高いアイテムシステム、哀愁あふれるケムコサウンド、セオリーを無視した謎解きの難しさ——ファミコン通信クロスレビューでシルバー殿堂入りを果たした本作は、当時の高額な定価に見合う独自の世界観を持つ名作として、今なお推理ゲームファンから高く評価され続けています。


本記事に記載の発売日・価格・ゲームシステム・原作情報・評価情報は、複数の信頼できる情報源に基づいて執筆しております。

(出典 Youtube)


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