はじめに|サイドビューとトップビューが融合した革新作
※記事内の画像は全てイメージです。実際の製品・写真とは異なります。
1988年6月17日、サンソフト(サン電子)からファミリーコンピュータ向けに定価5,300円(税抜)で発売された『超惑星戦記メタファイト』は、戦闘車両を操作する横スクロールアクションと、車を降りた主人公が銃で戦う見下ろし型アクションという、2つの異なるゲームシステムが融合した探索型アクションゲームです。
万能戦闘車両「メタル・アタッカー」に乗り込み、サイドビューのステージでトラップを乗り越えながら進む爽快感。そして車両を降り、主人公ケインが銃とグレネードを武器にダンジョンを探索するトップビューの緊張感。この2つを行き来しながら、徐々にクリアへの道を模索していく探索型のゲーム性が、本作の最大の魅力です。
操作性・難易度・BGMなど、あらゆる要素が高い品質でまとめられた「隠れた良作」として高く評価されている本作は、海外では『Blaster Master』のタイトルで絶大な人気を博し、現在も続編が作られ続けるシリーズの原点となりました。本記事では、基本情報からゲームシステム・海外版との違い・シリーズ展開まで詳しく解説いたします。
第1章|基本情報・スペック
複数の公的ソースで確認した基本スペックは以下の通りです。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| タイトル | 超惑星戦記メタファイト(METAFIGHT) |
| 機種 | ファミリーコンピュータ(FC) |
| 発売日 | 1988年6月17日 |
| 発売元 | サンソフト(サン電子) |
| ジャンル | アクションシューティング(探索型アクション) |
| 定価 | 5,300円(税抜) |
| プレイ人数 | 1人 |
| 権利表記 | ©1988 SUNSOFT TOKAI ENGIN. |
発売元のサンソフト(サン電子)は、愛知県を拠点とするゲームメーカーで、ファミコン時代には「いっき」「東海道五十三次」「アトランチスの謎」「ヘベレケ」など、個性的なソフトを数多く手がけたことで知られています。本作はサンソフトの技術力と独創性が結実した代表作のひとつです。
なお日本国外では『Blaster Master』(ブラスター・マスター)というタイトルで発売されており、ゲーム自体はほぼ同一ですが、国内版とは異なるストーリーとなっています。
第2章|ストーリー|惑星ソフィアを救うため、メタル・アタッカーで戦う
日本版『超惑星戦記メタファイト』のストーリーは、SF色の強い惑星防衛戦です。
宇宙暦2052年、ソフィア第三惑星に、恐怖の魔王GOZE(ゴウズ)率いる「インベム暗黒星団」が襲来し、惑星は壊滅的な状態に陥ってしまいます。難を逃れた衛星「NORA(ノーラ)」にある科学アカデミーは、総力をあげて一台の対抗マシンを開発しました。それこそが、ゴウズ壊滅の最終兵器・超惑星万能車両「メタル・アタッカー」です。
主人公は、メタル・アタッカーのパイロットに選ばれた天才少年ケイン=ガードナー(15歳)。彼は天才的な操縦センスを持つだけでなく、戦士(コマンダー)として銃とグレネードによる白兵戦もこなします。ケインはメタル・アタッカーを駆り、インベム暗黒星団との壮絶な戦いに挑みます。
なお、主人公ケインは天才パイロットである一方、高所からの落下には弱く、自分のジャンプ力よりも高い所から落ちるだけでダメージを受けてしまうという、人間らしい弱点も設定されています。
第3章|ゲームシステム詳細|2つの視点を行き来する探索型アクション
本作の最大の特徴は、まったく異なる2種類のゲームシステムが融合している点です。
サイドビューステージ(メタル・アタッカー)
全8エリアで構成されるサイドビュー(横スクロール)のステージでは、戦闘車両「メタル・アタッカー」を操作します。さまざまなトラップを乗り越えながら進んでいくこのパートでは、メタル・アタッカーの高い機動力を活かしたアクションが楽しめます。
メタル・アタッカーは強化していくことで、壁に張り付いて走行したり、天井を走ったりといった特殊な能力を獲得していきます。これらの能力を使いこなすことで、それまで行けなかった場所へ進めるようになり、探索の幅が広がっていきます。
トップビューステージ(生身のケイン)
サイドビューステージに存在する入り口からは、トップビュー(見下ろし型)のダンジョンステージへと入ることができます。このパートでは、メタル・アタッカーを降りた主人公ケインを操作し、銃とグレネードを武器にダンジョンを探索します。
トップビューのダンジョンには各エリアのボスが待ち受けており、これを倒すことでメタル・アタッカーの新たな能力が解放されるなど、攻略が進展していきます。生身のケインは戦闘車両に比べて非力であり、緊張感のある探索が求められます。
探索型のゲーム性
本作は、この2種類のステージを行き来しながら、クリア条件を徐々に模索していく探索型アクションゲームです。メタル・アタッカーの能力を強化し、これまで進めなかった場所へとアクセスできるようになる——このループが、後年「メトロイドヴァニア」と呼ばれるジャンルにも通じる探索の面白さを生み出しています。
操作性の良さ、絶妙な難易度バランス、そして探索の達成感が高い次元で融合しており、これが本作が「隠れた良作」と評される理由となっています。
第4章|BGMの完成度|サンソフトサウンドの魅力
本作を語る上で欠かせないのが、BGMの完成度の高さです。
サンソフトはファミコン後期に、独自の技術でファミコンの音源の限界に挑んだ「サンソフトサウンド」で知られるメーカーです。本作のBGMも非常に質が高く、SF的な世界観を見事に表現した楽曲の数々は、多くのプレイヤーの記憶に深く刻まれています。
操作性・難易度・グラフィックといったゲームの基本要素に加え、このBGMの素晴らしさが、本作の総合的な完成度を一段と高めています。「全ての要素が高い品質でまとめられた隠れた良作」という評価は、こうした音楽面の充実にも支えられています。
第5章|海外版『Blaster Master』との違い
本作は日本国外では『Blaster Master』というタイトルで発売されましたが、ゲーム内容はほぼ同一でありながら、ストーリーが大きく異なっています。
日本版『超惑星戦記メタファイト』が架空の惑星ソフィアをめぐる侵略者との戦いを描いているのに対し、海外版『Blaster Master』では、地球人の少年がペットのカエルを追って地下世界に飛び込むという内容に変更されています。
具体的には、15歳の少年ジェイソンが飼っていたカエル「フレッド」が水槽から逃げ出し、家の外にあったコンテナに触れた途端に巨大化して地下へと落ちてしまいます。ジェイソンはフレッドを追って穴に飛び込み、そこで謎の戦闘車両を発見し、地下世界に蠢くミュータントたちと戦うことになる——という、より親しみやすい設定になっています。
このストーリー変更の理由について、本作の美術を担当した岩田義明氏は、当時はまだ日本のアニメ風のストーリーが海外では人気がなく、現地スタッフからの「変えてほしい」という要望を受けたためと語っています。ストーリーに合わせて、オープニングやエンディングの演出にも差異が見られます。
なお、海外版で人気を博した結果、2000年のプレイステーション専用ソフト『ブラスターマスター』以降は、日本においても海外版のタイトル・ストーリーに統合されていく流れとなりました。
第6章|シリーズ展開|「ブラスターマスター ゼロ」へと続く系譜
本作は海外で絶大な人気を博し、多くの続編を生み出しました。
メタファイトとしての直接的な続編は、ゲームボーイカラー専用ソフト『メタファイトEX』のみですが、海外版『Blaster Master』としては、メガドライブ(Sega Genesis)向けの続編が海外のみで発売されるなど、シリーズとして展開していきました。
そして本作のシリーズは、現代になって大きく花開きます。2017年3月3日には、本作を題材としたリブート作品『ブラスターマスター ゼロ』が、ニンテンドー3DS・Nintendo Switch向けに配信されました。開発を手がけたのは、「ロックマン」シリーズのスタッフが立ち上げたインティ・クリエイツです。続いて『ブラスターマスター ゼロ 2』(2019年)、『ブラスターマスター ゼロ 3』(2021年)と続編が発売され、シリーズは現在も続いています。
特筆すべきは、これらの『ブラスターマスター ゼロ』シリーズが、原点である本作『超惑星戦記メタファイト』の世界とつながりを持っている点です。『ブラスターマスター ゼロ 3』には、メタファイトの主人公ケインとそのヒロインが登場し、シリーズの原点へのリスペクトが示されています。33年以上の歴史を持つシリーズの原点として、本作の存在感は今なお健在です。
第7章|現在のレトロゲームとしての価値
本作は現在の中古レトロゲーム市場において、比較的入手しやすいタイトルです。ソフト単体であれば手頃な価格で流通している場合が多く、人気作ながら入手のハードルはそれほど高くありません。一方で、箱・説明書付きの完品はやや価格が上がる傾向があります。
「ブラスターマスター ゼロ」シリーズの人気によって本作の存在を知ったプレイヤーが、原点である本作に興味を持つケースも増えており、レトロゲームファンと現代のゲームファンの双方から注目を集めています。サン電子の技術力と独創性が結実した本作は、ファミコンの探索型アクションを語る上で欠かせない一本です。
まとめ|2つの視点が融合した、サンソフトの探索型アクション傑作
『超惑星戦記メタファイト』は、1988年6月17日にサンソフト(サン電子)からファミリーコンピュータ向けに定価5,300円(税抜)で発売された探索型アクションゲームです。万能戦闘車両「メタル・アタッカー」を操作するサイドビューステージと、主人公ケインが銃とグレネードで戦うトップビューのダンジョンステージを行き来しながら進む、革新的なゲームシステムが最大の特徴です。
惑星ソフィアを救うために天才少年ケインが戦うSF的なストーリー、能力を強化して探索範囲を広げていく達成感、そしてサンソフトサウンドが光る高品質なBGM——すべての要素が高い次元でまとめられた本作は、「隠れた良作」として高く評価されています。海外では『Blaster Master』として絶大な人気を博し、現代の『ブラスターマスター ゼロ』シリーズへと続く、長き歴史を持つシリーズの原点でもあります。ファミコンの探索型アクションの傑作として、ぜひ一度プレイしていただきたい一本です。
本記事に記載の発売日・価格・ゲームシステム・海外版情報・シリーズ展開は、Wikipedia(超惑星戦記 メタファイトの項目)、Weblio辞書(同Wikipedia転載)、ファミコンゲームカタログ(gamecatalog.net)、ピコピコ大百科、ピクシブ百科事典、ニコニコ大百科、電撃オンライン、ファミ通.com、4Gamer.net、ウルブ(買取価格情報)に基づいております。
(出典 Youtube)
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