チェスター・フィールド 暗黒神への挑戦【ファミコン】徹底解説|1987年発売・「EPISODE II」を名乗る謎多きアクションRPGを振り返る

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はじめに|なぜ「EPISODE II」から始まるのか?

※記事内の画像は全てイメージです。実際の製品・写真とは異なります。

1987年7月30日、ビック東海からファミリーコンピュータ向けに発売された『チェスター・フィールド “暗黒神への挑戦”』は、剣と魔法の正統派アクションRPGです。

本作を起動すると、ビック東海の社名表示の後に「EPISODE II 暗黒神への挑戦」という文字が表示されます。ところが、この「EPISODE II(第2章)」に対応する「EPISODE I(第1章)」は存在しません。説明書を読んでもエピソードIに関する記述は見つからず、当時のプレイヤーを大いに困惑させました。これは、本作がビック東海のファミコン参入第2弾タイトルであったことに由来するという説が有力です(参入第1弾は1986年の「アイギーナの予言」)。

同年1月に発売された「リンクの冒険」(任天堂)の影響を感じさせる横スクロール+ダンジョン探索型のアクションRPGである本作は、囚われの王女を救うため騎士が暗黒神に挑むという王道の冒険活劇です。本記事では、基本情報からゲームシステム・ビック東海というメーカーの個性まで詳しく解説いたします。


第1章|基本情報・スペック

複数の公的ソースで確認した基本スペックは以下の通りです。

項目詳細
タイトルチェスター・フィールド “暗黒神への挑戦”(EPISODE II)
機種ファミリーコンピュータ(FC)
発売日1987年7月30日
発売元ビック東海
ジャンルアクションRPG
定価5,300円
プレイ人数1人
権利表記©1987 ビック東海

発売元のビック東海は、現在のTOKAIコミュニケーションズにあたる企業です。定価については、資料によって「5,300円」と「5,830円」の2つの表記が見られますが、ファミコン専門データベースでは5,300円という記載が確認されています。

なお、タイトルの「チェスター・フィールド」については、実在する「チェスターフィールド諸島」(ニューカレドニアの群島)やイギリスの地名・家具ブランドと同名ですが、ゲームの舞台が実在のチェスターフィールド諸島というわけではありません。


第2章|ビック東海というメーカーについて

本作を語る上で欠かせないのが、発売元のビック東海というメーカーの個性です。

ビック東海は、1986年の「アイギーナの予言」でファミコン市場に参入しました。本作『チェスター・フィールド』はその第2弾にあたります。「アイギーナの予言」「ザードの伝説」など、独特の雰囲気を持つ作品をリリースするメーカーとして知られていました。

特に本作の翌年(1988年)には「突然!マッチョマン」という強烈な個性を放つ作品を送り出すなど、クセのあるゲームを多々リリースしたメーカーとして、一部のレトロゲームファンの間で語り草となっています。1990年にはロックマン風のアクションゲーム「まじかるキッズどろぴー」をリリースしており、これらの作品に共通するのは「女の子のグラフィックへの力の入れ具合」だと評されています。

本作においても、武器屋・宿屋・防具屋・薬屋などのお店に登場する女の子のグラフィックは、ファミコン前期の少ない色数とサイズでありながら見事に可愛らしさを表現しており、「思わず用もないのにお店に入り浸りたくなる」と評されるほどのクオリティを持っています。


第3章|ストーリー|囚われの王女カレンを救う騎士の冒険

本作のストーリーは、王道のファンタジー冒険活劇です。

ガルドレド王国は、簒奪者であるゲモン将軍によって乗っ取られてしまいます。ゲモン将軍は国王を殺害し、王妃と王女カレンをチェスター・フィールド島に幽閉してしまいました。

主人公である青年騎士のケインは、囚われの身となった王女カレンを救い出すため、ゲモン将軍を倒し、ガルドレド王国を再興させるべく立ち上がります。豊富なアイテムや武器を駆使してステージを進み、最終的にゲモン将軍を倒してさらわれた王女を助け出すことがゲームの目的です。

「めくるめく戦闘、謎を呼ぶ地下迷宮、そして待ち受けるどんでん返し」というキャッチコピーが示すように、単純な救出劇にとどまらないストーリー展開が用意されています。


第4章|ゲームシステム詳細|横スクロールとダンジョンの二層構造

横スクロール+縦スクロールダンジョンの構成

本作のゲーム構成は、各ステージが2つのパートに分かれています。ステージ前半は横スクロールのアクションパート、後半はダンジョン(迷宮)内が舞台となる縦スクロールのパートへと切り替わります。

この二層構造により、フィールドを駆け抜ける爽快感と、迷宮を探索する緊張感の両方を味わうことができます。スムーズな操作性で楽しめる点も評価されています。

レベル制と階級システム

本作はアクションゲームでありながら、RPG的な成長要素を備えています。敵を倒すことでEXP(経験値)が上がり、100に達するとCL(階級値)が上がり、AP(攻撃力)とDP(防御力)が1ずつ上昇します。

なお、CLの上限はステージが進むごとに上昇する仕組みになっており、最終面に到達するまで最高CLまで上げることはできません。ライフの最大値は200で固定されており、これは終始変わることがありません。

武器・防具・アイテムの購入システム

本作では、貯めたお金で武器・防具・アイテムを購入して強くなる要素があります。武器には「ソード(剣)」と「メイス」があり、武装の切り替えが可能です。メイスは攻撃時の滞空時間が長く、ソードより使いやすいという特徴があります。

主なアイテムとしては、HPを回復する薬類(赤い薬:HP30回復、黄色い薬:HP100回復)、一定時間攻撃無効になる青い薬、画面上の敵を一掃する赤い呪文書、敵の動きを止める青い呪文書、ダンジョンを脱出する白い呪文書などがあります。薬類はステージが進むほど価格が高騰していくため、計画的な購入が求められます。

パスワード方式と店の女の子

本作はパスワードによる中断・再開方式を採用しています。パスワードは宿屋で休憩に「No」を選択し、宿泊を「YES」と答えることで聞くことができます(お金が必要)。また宿屋で休憩するとライフが200まで回復します。

パスワード入力画面では薬屋の女の子が登場し、間違えると「いれかたが へたね」などと文句を言われるという、前作「アイギーナの予言」にも通じる演出が用意されています。

会話パートの存在

本作にはアクションだけでなく会話パートも用意されており、各キャラクターとのコミュニケーションを通じて物語が進行します。前述の通りキャラクターのグラフィックのクオリティが高く、物語への没入感を高めています。


第5章|「リンクの冒険」との類似性

本作はしばしば「リンクの冒険」(任天堂・1987年1月発売)との類似性が指摘されます。

横スクロールのアクションパートを基本としながら、敵を倒して経験値を貯めてレベルアップする成長システムや、アイテム・装備を充実させていく要素は、同年初頭に発売されメガヒットした「リンクの冒険」を彷彿とさせるものです。

「リンクの冒険」の成功を受けて、各メーカーが同様の横スクロールアクションRPGを手がけた時期にあたり、本作もその流れの中で生まれた作品のひとつといえます。ただし、本作ならではのステージ前半・後半の構成や、ビック東海らしいグラフィックの魅力など、独自の個性も備えています。


第6章|難易度と評価|歯ごたえのある正統派アクションRPG

本作は1987年というファミコン前期の作品らしく、相応の歯ごたえを持つゲームです。ループするダンジョンや一方通行のダンジョン、動く足場といったアクション面での難所が用意されており、攻略にはある程度の慣れと根気が必要となります。

ゲームの動きについては「動きが硬い」という指摘もあり、同じ横スクロールアクションでも、軽快に飛び跳ねる「マドゥーラの翼」などと比較すると、ややもっさりとした操作感であると評されることもあります。

一方で、ファミコン前期の素朴さを残した癒やされる雰囲気のグラフィックや音楽、クオリティの高いキャラクターグラフィック、そして「どんでん返し」のあるストーリー展開など、当時の作品としては良質なクオリティを持つ作品として評価されています。エンディングのない作品も多かった当時において、しっかりとした結末が用意されている点も好意的に受け止められています。


第7章|現在のレトロゲームとしての価値

本作は現在の中古レトロゲーム市場において、ソフト単体であれば比較的入手しやすい価格帯で流通しています。一方で、箱・説明書付きの完品はやや希少な傾向があり、品切れとなっている場合もあります。

ビック東海というメーカーの個性的な作品群に注目するコレクターや、ファミコン前期のアクションRPGを探求するレトロゲームファンにとっては、押さえておきたい一本といえます。「EPISODE II」を名乗りながらEPISODE Iが存在しないという謎めいた設定も、本作を語る上での魅力的なトピックとして今なお語り継がれています。


まとめ|謎多き「第2章」が描く、正統派アクションRPGの世界

『チェスター・フィールド “暗黒神への挑戦”』は、1987年7月30日にビック東海からファミリーコンピュータ向けに発売されたアクションRPGです。「EPISODE II」を名乗りながらEPISODE Iが存在しないという謎めいた設定を持つ本作は、囚われの王女カレンを救うため騎士ケインが簒奪者ゲモン将軍に挑むという王道の冒険活劇です。

横スクロールとダンジョン探索の二層構造、経験値による階級アップシステム、武器・防具・アイテムの購入要素、そしてビック東海らしい魅力的なキャラクターグラフィック——「リンクの冒険」の影響を感じさせながらも独自の個性を備えた本作は、ファミコン前期のアクションRPGとして良質なクオリティを持つ一本です。歯ごたえのある正統派アクションRPGを味わいたい方は、ぜひ一度プレイしてみてください。


本記事に記載の発売日・価格・ゲームシステム・評価情報は、BEEP公式ブログ、ピコピコ大百科、ファミコン堂(famicomdo.com)、ゲームの里(gesato.com)、髭人ブログ、徒然ちょっとメモ’、だんぼーるはうすinブログ、RETRO GAME CATALOGに基づいております。

(出典 Youtube)


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