探偵 神宮寺三郎 時の過ぎゆくままに…【ファミコン】徹底解説|1990年発売・シリーズ屈指の名作と名高いハードボイルド推理ADVを振り返る

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はじめに|ファミコン最後の神宮寺三郎、その完成度

※記事内の画像は全てイメージです。実際の製品・写真とは異なります。

1990年9月28日、データイーストからファミリーコンピュータ向けに定価4,900円(税抜)で発売された『探偵 神宮寺三郎 時の過ぎゆくままに…』は、クールでダンディ、そしてヘビースモーカーの探偵・神宮寺三郎を主人公とした人気推理アドベンチャーシリーズの第4作です。

1987年に第1作が発売されて以来、30年以上にわたって愛され続ける「探偵 神宮寺三郎シリーズ」の中でも、本作はファミコンで発売された最後のシリーズ作品にあたります。新宿の街を舞台に、ハードボイルドな雰囲気とハートフルなストーリーで多くのファンを魅了してきた本シリーズですが、本作は「現在と過去を行き来する物語」「神宮寺と御苑洋子という2つの視点」という構成で、一見無関係に見える2つの事件が密接につながっていくという秀逸なストーリー展開を持つことで知られています。

回想シーンでは画面がセピア調になるなど演出面でも完成度が高く、シリーズ屈指の名作と評する声も多い本作について、本記事では基本情報からストーリー・ゲームシステム・評価まで詳しく解説いたします。


第1章|基本情報・スペック

複数の公的ソースで確認した基本スペックは以下の通りです。

項目詳細
タイトル探偵 神宮寺三郎 時の過ぎゆくままに…
機種ファミリーコンピュータ(FC)
発売日1990年9月28日
発売元データイースト
ジャンルアドベンチャー
定価4,900円(税抜)
容量1MB+64KRAM
プレイ人数1人
権利表記©1990 データイースト

なお、本作のタイトルは前作『探偵 神宮寺三郎 危険な二人』(1988年)と同様に、沢田研二さんのシングルレコード「時の過ぎゆくままに」(1975年)を意識して名づけられたものです。パッケージ表記では末尾の「…」を除いた『探偵 神宮寺三郎 時の過ぎゆくままに』とされています。


第2章|「探偵 神宮寺三郎シリーズ」について

本作を理解するために、まずシリーズ全体について解説いたします。

「探偵 神宮寺三郎シリーズ」は、1987年の第1作発売以来、長く愛され続けている推理アドベンチャーゲームシリーズです。重厚でハードボイルドな雰囲気と、心を打たれるハートフルなストーリーが特徴で、眠らぬ街・新宿歌舞伎町を主な舞台に、名探偵・神宮寺三郎が事件を解き明かしていきます。

本作はシリーズ第4作にあたり、ファミコンで発売された最後の神宮寺三郎作品です。本作を最後にシリーズはしばらくリリースを休止し、1996年に6年ぶりの第5作『未完のルポ』(PlayStation・セガサターン)でメディアをCD-ROMへと移して復活することになります。

つまり本作は「ファミコン時代の神宮寺三郎の集大成」とも言える位置づけにあり、ファミコンというハードで培われたコマンド選択式アドベンチャーの完成された形を示した作品でもあります。


第3章|ストーリー|一匹の犬から甦る1年前の記憶

ある暑い夏の昼の日。神宮寺三郎は新宿中央公園で一匹の犬を見かけます。その犬をきっかけに、神宮寺の脳裏に1年前のある事件の記憶が甦ります。

それは、盗まれた絵画を見つけてほしいという依頼でした。一見、解決は容易だと思われたこの事件でしたが、捜査を進めるうちにその背後に複雑な人間関係が見え隠れしてきます。

本作は、神宮寺三郎と助手の御苑洋子、そして熊野警部の思い出語りという形で、現在と過去を行き来しながら進行します。神宮寺の視点と洋子の視点という2つの視点から、それぞれの事件が語られていきます。

一見すると無関係に思える2つの事件が、物語が進むにつれて実は密接につながっていたことが明らかになる——この構成が本作のストーリーの最大の魅力です。派手さはないものの、緻密に練り込まれたプロットが「いぶし銀の魅力」を放つ作品として高く評価されています。


第4章|ゲームシステム詳細|コマンド選択式アドベンチャーの完成形

コマンド選択方式

本作は神宮寺三郎シリーズ共通の「コマンド選択方式」を採用したアドベンチャーゲームです。「調べる」「聞く」「移動する」「見る」などのコマンドを選択しながら、登場人物と会話し、現場を調べ、手がかりを集めて事件の真相に迫っていきます。

文字入力式のアドベンチャーとは異なり、画面に表示されたコマンドを選ぶ形式のため、当時のプレイヤーにとって直感的に操作できる親切な設計でした。

「ズタ」コマンドによるコミュニケーション

本作には捜査の中で登場人物とコミュニケーションをとる際に用いる「ズタ」コマンドが存在します。登場人物との関係を深めながら情報を引き出していく要素として機能しています。

名刺という重要アイテム

本作では「名刺」がストーリー上わりと重要なアイテムとして機能します。探偵としてのリアルな捜査活動を反映した要素であり、聞き込みや人物との接触において名刺が鍵を握る場面が用意されています。

回想シーンのセピア調演出

本作の演出面で特に評価が高いのが、回想シーンでの画面表現です。現在と過去を行き来する構成を活かし、回想をしている場面では画面がセピア調になるという演出が施されており、時間の流れと記憶の質感を視覚的に表現することで、物語の雰囲気を大いに盛り上げています。

パスワード方式

本作はバッテリーバックアップによるセーブ方式ではなく、パスワードによる中断・再開方式を採用しています。パスワードは数字4桁と短く覚えやすいため、当時のパスワード方式のゲームとしてはプレイヤーへの負担が少ない親切な仕様となっています。


第5章|グラフィック・演出・音楽の完成度

本作はグラフィック・演出・BGMのいずれもが高い完成度を誇る作品として評価されています。

シリーズ特有のハードボイルドな雰囲気を、ファミコンの限られた表現力の中で見事に描き出しており、派手な演出ではなく落ち着いた大人の雰囲気で物語を彩っています。前述のセピア調回想シーンに代表される演出の工夫が、ゲーム全体に深みを与えています。

BGMについてもシリーズの世界観に寄り添った楽曲が用意されており、新宿の夜の街の空気感やハードボイルドな探偵の世界を音で表現することに成功しています。


第6章|発売当時の評価

ゲーム誌「ファミコン通信」のクロスレビューでは合計25点(満40点)という評価を受けています。また「ファミリーコンピュータMagazine」の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は20.17点(満30点)でした。

同誌1991年5月10日号特別付録の「ファミコンロムカセット オールカタログ」では「回想をしている場面では、画面がセピア調になり、雰囲気を盛り上げている」と紹介されており、演出面が好意的に評価されていたことがわかります。

後年のレトロゲームファンからの評価も高く、ファミコンソフト一覧(mobajie.com)のユーザー投票では「良ゲー5票・クソゲー0票」と、満場一致で良作として認められています。「無関係な2つの事件が実は密接につながっていた」というストーリー展開は「非常によい」「満点。最高。」とまで評されることもあり、シリーズ屈指の名作として今なお語り継がれています。


第7章|各プラットフォームへの移植・リメイク

本作は発売後、さまざまなプラットフォームに展開されています。

探偵 神宮寺三郎 アーリーコレクション(PlayStation・1999年)

PlayStation用ソフト『探偵 神宮寺三郎 アーリーコレクション』に本作が収録されました。これは後にゲームアーカイブスでも配信されています。全編カラーで統一されたほか、章ごとに確認パートが追加され、キーワードを正しく選択しなければならないという変更が加えられています。また登場人物に警部補の小林勇介、謎の男・須賀が追加されています。

Wiiバーチャルコンソール

Wiiのバーチャルコンソールでもファミコン版が配信され、当時を懐かしむファンが手軽に楽しめる環境が用意されました。

探偵 神宮寺三郎DS いにしえの記憶(ニンテンドーDS・2007年)

携帯アプリ用にリメイクされた本作を収録したニンテンドーDS用ソフト『探偵 神宮寺三郎DS いにしえの記憶』も発売されています。これはシリーズ第4作『時の過ぎゆくままに…』が、約15年の時を経て改めて任天堂機種で楽しめるようになった展開でもありました。


第8章|現在のレトロゲームとしての価値

定価4,900円(税抜)で発売された本作は、現在の中古レトロゲーム市場では比較的入手しやすいタイトルです。駿河屋などでもソフト単体であれば手頃な価格で流通しています。

複数のプラットフォームへの移植・リメイクが行われているため、ファミコン実機にこだわらなければ、PlayStation版(アーリーコレクション)やニンテンドーDS版(いにしえの記憶)などでも本作のストーリーを体験することができます。神宮寺三郎シリーズのファンにとっては、シリーズの歴史を語る上で欠かせない「ファミコン最後の神宮寺三郎」として、ぜひ押さえておきたい一本です。


まとめ|ファミコンが生んだハードボイルド推理ADVの傑作

『探偵 神宮寺三郎 時の過ぎゆくままに…』は、1990年9月28日にデータイーストからファミリーコンピュータ向けに定価4,900円(税抜)で発売されたアドベンチャーゲームです。人気推理アドベンチャーシリーズの第4作にして、ファミコンで発売された最後のシリーズ作品である本作は、一匹の犬から甦る1年前の記憶を軸に、神宮寺と御苑洋子の2つの視点で進む現在と過去を行き来する物語が魅力です。

コマンド選択方式の完成された操作性、セピア調の回想演出、覚えやすい4桁パスワード、そして「無関係に見えた2つの事件が密接につながる」秀逸なストーリー展開——派手さはなくとも、グラフィック・演出・BGMのすべてが高い完成度を誇る「いぶし銀の傑作」として、今なおシリーズファンから高く評価されています。ハードボイルドな大人の推理ゲームを味わいたい方は、ぜひ一度プレイしてみてください。


本記事に記載の発売日・価格・容量・ゲームシステム・評価情報は、Wikipedia(探偵 神宮寺三郎 時の過ぎゆくままに…の項目・探偵 神宮寺三郎シリーズの項目)、ファミコンゲームカタログ(gamecatalog.net)、ピコピコ大百科、レトロゲームの説明書保管庫、ファミコンソフト一覧(mobajie.com)、攻略ページ(park20.wakwak.com)に基づいております。

(出典 Youtube)


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