タッチ ミステリー・オブ・トライアングル【ファミコン】徹底解説|1987年発売・あだち充原作の異色ファンタジーアドベンチャーを振り返る

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はじめに|「タッチ」なのに野球も恋愛も関係ない?

※記事内の画像は全てイメージです。実際の製品・写真とは異なります。

1987年3月14日、東宝からファミリーコンピュータ向けに定価4,900円で発売された『シティ・アドベンチャー タッチ ミステリー・オブ・トライアングル』は、あだち充先生原作の国民的野球漫画『タッチ』を題材にしたファミコン用アクションアドベンチャーゲームです。

しかし本作は、甲子園を目指す高校野球の物語でも、達也・南・和也の切ない三角関係を描く作品でもありません。上杉達也・和也の双子と幼なじみの浅倉南の3人が、異次元に消えてしまった子犬たちを追って冒険の旅に出るというオリジナルストーリーが展開されます。

「タッチ」という名前に野球や恋愛ドラマを期待して手に取ったプレイヤーを驚かせたことで知られる本作は、レトロゲームファンの間で今も独特の語り草となっている一本です。本記事では、基本情報から原作との関係・ゲームシステム・評価まで詳しく解説いたします。


第1章|基本情報・スペック

ピコピコ大百科・ファミコンゲームカタログ・ファミコンソフト一覧(mobajie.com)・Wikipedia(タッチ漫画の項目)など複数の公的ソースで確認した基本スペックは以下の通りです。

項目詳細
タイトルシティ・アドベンチャー タッチ ミステリー・オブ・トライアングル
英語タイトルCITY ADVENTURE TOUCH: MYSTERY OF TRIANGLE
機種ファミリーコンピュータ(FC)
発売日1987年3月14日
発売元東宝
ジャンルアクション(アクションアドベンチャー)
定価4,900円
容量1MB+64KRAM
プレイ人数1〜2人
権利表記©1987 東宝

正式タイトルは「シティ・アドベンチャー タッチ ミステリー・オブ・トライアングル」とやや長いものですが、一般的には「タッチ ミステリーオブトライアングル」や単に「タッチ(FC版)」と呼ばれることが多い作品です。

発売元の東宝はご存じの通り映画・テレビ事業を主体とする日本の大手エンターテインメント企業ですが、『タッチ』のアニメ・映画の製作会社でもあったため、そのゲーム化も東宝から発売されたものです。


第2章|原作『タッチ』について|あだち充先生の最大ヒット作

本作の原作であるあだち充先生の漫画『タッチ』は、1981年から1986年にかけて小学館の『週刊少年サンデー』に連載された大ヒット作品です。

Wikipedia(タッチ漫画の項目)によれば「高校野球を題材に、双子の兄弟である上杉達也・和也と幼馴染の浅倉南の3人を軸にした」物語で、単行本の総売上は新書版・完全版・文庫版等を合わせて1億部以上を記録しています。また第28回(1982年度)小学館漫画賞も受賞しています。

テレビアニメは1985年3月24日から1987年3月22日までフジテレビ系列にて全101話が放送されました。総監督は杉井ギサブロー監督が担当し、製作は東宝・グループ・タック・旭通信社が担いました。1985年12月22日放送分で視聴率31.9%を記録したのをはじめ、常に視聴率20%以上を維持した人気番組でした(Wikipedia記述より)。劇場版アニメも3作が東宝で製作されています。

あだち充先生自身も「『タッチ』は、やっぱり良くも悪くも僕の代表作なんでしょうね」と語っており、本作ゲームが発売された1987年3月はちょうどテレビアニメの最終回(1987年3月22日)直前という、最も人気が高い時期に発売されました。


第3章|ゲームのストーリー|ワープホールから始まる異次元冒険

Wikipedia(タッチ漫画の項目)およびファミコンゲームカタログ(gamecatalog.net)で確認できる本作のストーリーは以下の通りです。

朝倉家の子犬たちがごはんをもらって大喜びしていたある日、子犬用の食器皿の真ん中に突然大きな穴がポッカリ開きます。それは未知のワールドに通じるワープホールで、自分のエサを追いかけた子犬たちが次々と穴の中へ落ちていきます。

「子犬たちを助けなきゃ!」という南の言葉に誘われ、達也と和也はともにワープホールへ身を沈めます。こうして3人はパンチの子犬10匹を救出するため、見知らぬ異次元世界への冒険に出発します。

Wikipedia(タッチ漫画の項目)では「異次元空間に落ちた愛犬パンチの10匹の子供たちを助けるために、上杉達也・和也の双子と幼馴染のヒロイン浅倉南の3人が異次元に向かい、殴るパンチ攻撃や野球のボールなどを投げて異次元の敵と戦うという設定。野球についてはボールを投げる点ぐらいであり、原作の世界観とは大きく異なるゲーム内容となっている」と明記されています。なお愛犬の名前が「パンチ」であり、攻撃手段のパンチと同名になっています。


第4章|ゲームシステム詳細|3人を同時操作し子犬10匹を救出

3人同時操作とアイテム駆使のアドベンチャー

本作の最大の特徴は「達也・和也・南の3人を同時に操作しながら進む」点です。ファミコンショップお宝王の商品説明でも「ゲーム進行中は3人のキャラを同時に操作する」と明記されています。

目的は異次元世界に散らばった子犬10匹を全て見つけ出すこと。攻略サイト(park20.wakwak.com)の記述によれば「南を守りながら、子犬を10匹集めることが目標のゲーム」であり、アイテムを使いながら謎を解いて進む、当時としては珍しいアクションアドベンチャー形式が採用されています。

アイテムはAボタン+十字キーで選択し、A+Bボタンで使用します。缶詰を入手してキャラクターに渡す、特定の宝石を手に入れて扉を開くなど、アドベンチャーゲーム的なパズル要素が組み込まれています。

広大なマップと高い難易度

ファミコンマックシングの攻略コラムでは「とにかくマップが広い。このマップ内を動き回ってBOSSを探したり、必要なアイテムやヒントを集める必要がある。正直マップ情報なしで挑むにはかなり辛いゲームだと」という記述があり、当時のプレイヤーが情報なしで攻略することの困難さが伝わります。

使い道のないアイテムも多く、アイテムを捨てることができないという制約もあり、2匹目の子犬からして探すのが難しいというゲームバランスも特徴です(ぽっぽブログの実況記事より)。

2人プレイの特徴

1人プレイとは別に2人同時プレイにも対応しています。ピコピコ大百科の記述によれば「2人プレイでは、それぞれ達也、和也に扮して南を奪い合う」という形式となっています。

パスワードシステム

本作にはパスワード継続システムが実装されており、中断した後に途中から再開できる仕様です。ただしピコピコ大百科のユーザーコメントには本作のパスワードにまつわる有名な「裏技」が記録されています。パスワードに使用される文言が非常に大胆な内容であることで知られており、当時から話題を呼んでいた要素です。


第5章|各ステージの舞台|異次元の地名が印象的

ぽっぽブログの全章プレイ記事で確認できる本作のステージ構成には、独特の地名が登場します。「南風」と呼ばれる最初の拠点から出発し、「校内」「海外」など様々なエリアを探索しながら子犬を集めていきます。

最終的には10匹目の子犬が洋城の中にいるエリアへとたどり着き、外に出ると一気に南風の前へワープしてエンディングへと進みます。エンディングのメッセージは英文で表示され「Congratulations! You found all puppies. There are presents from Minami to Tatsuya and Kazuya. You come back to the original world. And this adventure is over.」という内容で、子犬を全て見つけた達也と和也が南からのキスをもらって元の世界に戻るという結末が描かれています(ぽっぽブログの実況記事より)。


第6章|原作との乖離という評価|なぜ野球と恋愛がないのか

本作について最もよく語られる話題が「原作との世界観の乖離」です。

「タッチ」というタイトルから高校野球や恋愛ドラマを期待したプレイヤーにとって、異次元で子犬を探し回るというゲーム内容は大きな驚きでした。モノノフ的ゲーム紹介のブログでは「達也・和也・南ちゃんの3人が、まったく原作とは関係のない異世界を冒険して」という表現でこの点が紹介されています。

ファミコンマックシングの攻略コラムでも「ゲームの方は、スタート地点こそ『南風』から出発するものの、野球、恋愛といった『タッチ』の世界観とは全く別物」「ゲームの内容からすると必ずしも『タッチ』の名を冠する必要はなかったろう」と評されており、世界観の借用と実際のゲーム内容のギャップは当時から指摘されていました。

Wikipedia(タッチ漫画の項目)でも「テレビアニメと映画を制作した東宝より、ゲーム化作品が発売された。ただしいずれも野球ゲームではない」と記されています。なお本作以外にも東宝からタッチのゲームが発売されているため「いずれも」という表現が使われています。


第7章|発売当時の評価と現在の位置づけ

ファミコンソフト一覧(mobajie.com)のユーザー投票では「良ゲー2票・クソゲー14票・合計16票」という結果となっており、当時から辛口の評価が多かったことが確認できます。広大なマップでノーヒントに近い状態で探索を強いられるゲーム設計と、原作の世界観からかけ離れた内容が、批判的な評価の主な要因となっています。

一方でぽっぽブログのプレイ記事では21話にわたる連載で丁寧にプレイされており、アドベンチャーゲームとして向き合えば独自の楽しさを持つ作品であることも確認できます。「使い道のないアイテムが物凄く多い」「アイテムを捨てることすら自由にない」という問題点を指摘しつつも、最後まで完走した記事は本作の底力を示しています。

現在のレトロゲーム市場では中古買取価格が100円〜500円前後と比較的手頃な価格帯であり、入手のハードルは高くありません。


まとめ|1987年のアニメ最終回直前に放たれた、唯一無二の異色作

『シティ・アドベンチャー タッチ ミステリー・オブ・トライアングル』は、1987年3月14日に東宝からファミリーコンピュータ向けに定価4,900円で発売されたアクションアドベンチャーゲームです。あだち充先生原作の国民的野球漫画『タッチ』のキャラクター(達也・和也・南)を使いながらも、舞台は原作とは全く異なる異次元世界。子犬10匹を救出するという独自のストーリーで展開する1〜2人プレイ対応のゲームです。

原作の世界観とかけ離れた内容で当時のプレイヤーを困惑させた本作ですが、1987年3月というテレビアニメ最終回直前のタイミングでの発売、東宝という映画・アニメ製作会社によるゲーム展開という歴史的な背景を持つ、ファミコン時代のキャラクターゲームの一形態として今日も語り継がれています。


本記事に記載の発売日・価格・容量・ゲームシステム・原作情報は、Wikipedia(タッチ漫画の項目)、ピコピコ大百科、ファミコンゲームカタログ(gamecatalog.net)、ファミコンソフト一覧(mobajie.com)、ファミコンショップお宝王、ぽっぽブログ(全章プレイ記事)、ファミコンマックシング攻略コラム、モノノフ的ゲーム紹介、RETRO GAME CATALOGに基づいております。

(出典 Youtube)


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