高橋名人のBUGってハニー【ファミコン】徹底解説|1987年発売・アクションにブロック崩しが融合した伝説の異色ゲーム

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はじめに|「ゲーム→アニメ→ゲーム」という唯一無二のメディアミックス

※記事内の画像は全てイメージです。実際の製品・写真とは異なります。

1987年6月5日、ハドソンからファミリーコンピュータ向けに発売された『高橋名人のBUGってハニー』は、当時のファミコン少年たちに大きな衝撃を与えた横スクロールアクションゲームです。

「横スクロールアクションを遊んでいたら、突然ブロック崩しが始まった」——そんな仰天体験をした方も多いのではないでしょうか。本作の最大の特徴は、アクションパートとブロック崩しパートが一本のゲームの中に組み込まれているという、前代未聞のハイブリッド構成です。

本作の誕生背景には独特のメディアミックスの連鎖があります。ハドソンが1986年に発売したファミコン用アクションゲーム『高橋名人の冒険島』を原作として、テレビアニメ『Bugってハニー』(1986年〜1987年、日本テレビ系列他、全51話)が制作されました。そしてそのアニメのキャラクターと世界観を使ってゲーム化したのが本作です。つまり「ゲーム→アニメ→ゲーム」という逆流するメディアミックスの産物であり、日本初の「テレビゲームを原作としたテレビアニメ」から生まれた一作といえます。

本記事では、基本情報からゲームシステムの詳細・原作アニメとの関係・開発秘話まで、『高橋名人のBUGってハニー』のすべてを丁寧に解説いたします。


第1章|基本情報・スペック

Wikipedia・ファミ通.com(発売35周年記事)・ピコピコ大百科・ファミコン堂など複数の公的ソースで確認した基本スペックは以下の通りです。

項目詳細
タイトル高橋名人のBUGってハニー
機種ファミリーコンピュータ(FC)
発売日1987年6月5日
発売元ハドソン
ジャンルアクション
定価5,500円
メディア1.25メガビットロムカセット
プレイ人数1人
音楽国本剛章

権利表記は「©1987 HUDSON SOFT」。発売元のハドソンは現在コナミデジタルエンタテインメントに吸収されており、同社がゲームの権利を引き継いでいます。

BGMを担当したのは国本剛章氏で、ハドソン作品でも数多くの楽曲を手掛けたコンポーザーです。なお、アニメ版のオープニングテーマ・エンディングテーマはともに小林亜星氏が作曲しており、オープニングは高橋名人本人が歌唱しました。ゲーム版の一部ステージBGMにはこのアニメOPテーマと同じ曲が使われています。


第2章|原作アニメ『Bugってハニー』|日本初のゲーム原作アニメ

ゲーム版の原点となるテレビアニメ『Bugってハニー』は、1986年10月3日から1987年9月25日まで日本テレビ系列他にて放送された全51話のアニメ作品です。

ハドソンが発売した『高橋名人の冒険島』の世界観を下敷きに、アニメオリジナルの登場人物や独自の展開を加えた子供向けアニメとして制作されました。アレンジは多いものの、「日本初のテレビゲームを原作としたテレビアニメ作品」として位置づけられる歴史的な作品です。

主人公のモデルは当時の子供たちの間で絶大な人気を誇っていた「高橋名人」こと高橋利幸氏。ゲームの達人である高橋名人(ゲーム内では「高橋原人」として登場)が、ゲームの世界「トイコンワールド」でハチの妖精の少女ハニーらと冒険を繰り広げるという物語です。

当初は半年間の放送予定でしたが、子供たちの人気に伴い1年間に延長され、劇場版も製作されたほどの人気作でした。ハドソンの一社提供番組であり、作中のBGMにはハドソンの他のファミコンソフトの音楽が多数使われているのも特徴です。


第3章|ゲームのストーリー|ハニーが高橋原人を救い出せ

ゲームのストーリーは、悪の親玉「キュラ大王」に捕まってしまった高橋原人(高橋名人)を、ハチの妖精の少女ハニーが救出に向かうというものです。

1面だけはハニーを操作し、ステージの最後で捕らわれた高橋原人を救出するとクリア。2面以降は救出された高橋原人を操作して進む形式となっており、プレイヤーキャラクターが途中で切り替わるという構成が本作の特徴のひとつです。

全4ステージをクリアするとエンディングとなり、その後2周目が始まるループ構成です。


第4章|ゲームシステム詳細|アクションとブロック崩しのハイブリッド

横スクロールアクションパート

基本的なゲームプレイは横スクロールアクションです。『高橋名人の冒険島』と異なり、左方向へも自由に戻れる仕様となっています。

1面のハニーは空を飛んで移動でき、ハートの弾を投げて攻撃します。2面以降の高橋原人は空は飛べませんが、石斧を投げて攻撃し、パワーアップアイテムを取得すると炎の石斧へと強化されます。

ブロック崩しパート(裏面)

本作最大の特徴が、アクションパートの途中で突然始まるブロック崩しです。ステージ内の特定のポイントに何回か攻撃を当てると卵が出現し、その卵に触れるとブロック崩しゲームへと切り替わります。

ブロック崩しを進めるとキーワードのアルファベットが落ちてきます。8か所のステージすべてで正しいパスワードを取得すると、アクションステージの右端にある城の扉が開く仕組みです。

ただしブロックを崩して出てくるアルファベットの中にはダミーが混在しており、誤ったものを取得すると画面が赤くフラッシュしてミスとなります。正しいものを取ると白くフラッシュして通過となります。

さらに「ハズレ卵」も存在し、触れると破壊不能ブロックが「HELL」という文字の形に配置された脱出困難なステージへ飛ばされます。HELLステージではパスワードが取れないため、脱出するだけという厳しい仕掛けです。

最終ステージの難関|16連射の伝説

ファミ通.com(発売35周年記事)が紹介するように、最終ステージには「高橋原人の石像」と呼ばれる本作最大の難関が存在します。この石像から次のブロック崩しを始めるためのアイテムを出現させるには、石像への攻撃連射が必要です。「高橋名人だから16連射が必要」と噂されていたほどの難易度で、連射が続かずにアイテムを出現させられないまま断念したプレイヤーが続出したと伝えられています。


第5章|開発の背景|「ピタゴラス伝説」との統合という経緯

Wikipedia(ゲーム版の項目)によれば、本作の開発には興味深い経緯があります。

当初はアニメのレギュラーキャラクターであるみどり・ダル・ワンナップの3人組も操作キャラとして、スターブレインやブタ王女も敵キャラとして登場する予定で、それぞれのドット絵も用意されていました。しかし開発途中でゲーム内容が大幅に変更され、完成版の形に落ち着いたとされています。

また、本作に組み込まれているブロック崩しパートは、当初セガのアーケードゲーム「ピタゴラスの謎」の移植として独立した作品として出される予定のものでした。ハドソンの岩崎啓眞氏によると、「高橋名人の冒険島2」の受注の段階で、「ピタゴラス伝説」という別の作品と統合された結果、現在の「アクション+ブロック崩し」という形になったとのことです。


第6章|音楽|国本剛章氏による軽快なサウンド

本作のBGMを担当したのは国本剛章氏です。ステージ1と4のメインBGMにはアニメのオープニングテーマ(小林亜星作曲・高橋名人歌唱)と同じ曲のアレンジが使用されており、アニメを見ていた当時の子供たちには馴染み深いBGMとなっていました。

ファミ通.comの35周年記事でも「ステージ中の音楽には癒やされた人も多かった。軽快な楽曲揃いで聴き応えバッチリ。主題歌のアレンジ楽曲もあったりして、かなりイカしていた」と評されており、難易度の高さや独特のゲームシステムへの評価とは対照的に、BGMは当時のプレイヤーから好評を得ていた要素のひとつです。


第7章|発売当時の評価

ゲーム誌『ファミコン通信』(現ファミ通)のクロスレビューでは6・7・8・6の合計27点(満40点)を獲得しています。レビュアーからは「このゲームは、表面よりも裏面のほうが面白い」という評価がなされており、アクションパートよりもブロック崩しパートに光るものを見出すコメントが記されていました。

また『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票による評価は17.85点(満30点)でした。

ゲームシステムの理解の難しさ(説明書なしではルールがわかりにくい)、アクションとブロック崩しの唐突な切り替え、高い難易度という側面が指摘される一方、アニメファンにとってはキャラクターに愛着があり、BGMも好評でした。パッケージ・説明書の表紙イラストに掲載されているキャラクターの半分がゲームに登場しないという点も、当時から語り草となっていた事実のひとつです。


第8章|冒険島シリーズにおける位置づけと現在の評価

本作は『高橋名人の冒険島』(1986年)シリーズの1作として数えられています。メインとなる冒険島シリーズがアクション一本で貫かれているのに対し、本作だけが「アクション+ブロック崩し」という異色の構成を持っており、シリーズの中でも特別な個性を持つ一作です。

バーチャルコンソールなどデジタル配信での再販は行われていないため、現在プレイするには実機と実物のカートリッジが必要です。「ゲームを原作としたアニメを原作としたゲーム」という唯一無二のメディアミックスの産物として、また1987年のファミコン市場における奇抜な設計の実験作として、レトロゲームファンの間では今も語り継がれる一本となっています。


まとめ|「横スクロールアクション中にブロック崩しが始まる」衝撃を今こそ体験

『高橋名人のBUGってハニー』は、1987年6月5日にハドソンからファミリーコンピュータ向けに発売されたアクションゲームです。日本初の「テレビゲームを原作としたテレビアニメ」であるアニメ版『Bugってハニー』のキャラクターを使用したゲーム化作品であり、国本剛章氏によるBGM、1面ハニー・2面以降高橋原人というプレイヤーキャラクターの切り替え、そして8か所のパスワードを集めるブロック崩しパートという複合的なシステムが最大の特徴です。

ファミ通クロスレビュー27点、当時のプレイヤーの多くが攻略法を理解できないまま詰まったという難易度の高さ、そして「HELLステージ」や「石像への16連射」という伝説的なエピソードなど、発売から35年以上経った今も多くの語り草を残しているこの一本を、ぜひ一度体験してみてください。


本記事に記載の発売日・価格・メディア仕様・ゲームシステム・スタッフ情報は、Wikipedia(高橋名人のBUGってハニーの項目・Bugってハニーの項目)、ファミ通.com(発売35周年記事 2022年6月5日)、ピコピコ大百科、ファミコン堂、Weblio辞書に基づいております。

(出典 Youtube)


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