TAO 道【ファミコン】徹底解説|1989年発売・MOTHER開発陣が手掛けた究極の世紀末オカルトRPGを振り返る

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はじめに|「究極の世紀末ロープレ」は本物だった

※記事内の画像は全てイメージです。実際の製品・写真とは異なります。

1989年12月1日、バップからファミリーコンピュータ向けに発売された『TAO 道(タオ)』は、パッケージに「究極の世紀末ロープレ」と銘打たれた異色のアドベンチャーRPGです。

「TAO 道」と書いて「たお」と読みます(「たおどう」ではありません)。ノストラダムスの大予言をモチーフにした1999年の世紀末世界を舞台に、仏教・キリスト教・道教など複数の宗教思想が混在する独特の世界観を持ち、漢字一文字で表示されるコマンド、Aボタン連打によるアクティブバトルなど、当時の一般的なRPGとはまったく異なるシステムを採用しています。

開発を担ったのは、あの『MOTHER』(1989年・任天堂)を手掛けたパックスソフトニカ。発売元のバップは『元祖西遊記スーパーモンキー大冒険』でも知られるメーカーです。発売から35年以上が経った現在も、カルトゲームとして熱狂的なファンを持つ本作の全貌を、本記事で詳しく解説いたします。


第1章|基本情報・スペック

ファミコンゲームカタログ・ピコピコ大百科・ファミコン発売日一覧・駿河屋など複数の公的ソースで確認した基本スペックは以下の通りです。

項目詳細
タイトルTAO 道(タオ)
機種ファミリーコンピュータ(FC)
発売日1989年12月1日
発売元バップ(VAP)
開発パックスソフトニカ
ジャンルアドベンチャー・ロールプレイングゲーム
定価5,500円(税抜)
権利表記©1989 VAP
プレイ人数1人

パッケージの正式表記は「究極の世紀末ロープレ TAO-道-」であり、ゲームの内容に対するメーカーの自負(あるいは自覚)が込められたキャッチコピーとなっています。

発売元のバップはビデオ・オーディオ・プロダクツ(Video Audio Products)の略で、日本音楽著作権などを手掛ける総合音楽企業として知られていますが、ファミコン参入後はRPGを中心にいくつかのゲームソフトを発売しており、本作はバップのファミコンRPG第2弾にあたります(第1弾は1986年発売の『元祖西遊記スーパーモンキー大冒険』)。


第2章|開発元・パックスソフトニカとMOTHERとの関係

本作の開発を担ったパックスソフトニカは、ファミコン版RPG「MOTHER」(1989年7月18日・任天堂)の開発に携わったことで知られる会社です。『MOTHER』は糸井重里氏がシナリオを手掛け、現代日本を舞台にした革新的なRPGとして今も高い評価を受けている作品です。

本作『TAO 道』と『MOTHER』は開発時期も発売日も近く、同じパックスソフトニカが関わっていることから、両作品がしばしば比較されたり並べて語られたりします。また、本作はファミコン版の「ふぁみこんむかし話 遊遊記」も同社が開発に携わっており、パックスソフトニカがこの時期に複数の個性的な作品に関与していたことがうかがえます。

方向性はまったく異なりながら、世界観の「濃さ」という点では共通するものがある両作品。ゲームファンの間では「MOTHER開発陣が作ったもう一本の1989年RPG」として語られることも少なくありません。


第3章|世界観とストーリー|ノストラダムスと宗教が交錯する世紀末

本作の舞台設定は、当時のオカルトブームの象徴ともいえるノストラダムスの大予言を直接的なモチーフとしています。

1999年8月18日のグランドクロス(惑星直列)に魔王が降臨し、異常気象や怪奇現象が渦巻く荒廃した世紀末の世界。この世界に生を授かったある少年(主人公)が、物語の主人公として旅立ちます。

カダルカジャマ寺院に至宝として安置されていた経典「マハーマラ・スートラ」が魔物に盗まれてしまったことをきっかけに、少年は各国を旅しながら様々な人々や教えと出会い、やがて数奇な運命を歩んでいきます。ピコピコ大百科の説明によれば、旅の最終目的は究極の秘宝「三宝」を求めてやってきた魔王「ヒスター」を倒し、世界を救うことです。

各国を旅する中で出会う仏教・キリスト教・道教(天道)などの宗教的な教えや思想がストーリーに深く絡みついており、プレイヤーが「変わった宗教に勧誘されているような感覚」を覚えるほど独特な世界観が展開されます。


第4章|ゲームシステム詳細|漢字コマンドとアクティブバトルの融合

見下ろし型フィールドとアドベンチャーモードの二重構造

本作は「見下ろし型のフィールド移動モード」と「12種類のコマンドを使うアドベンチャーモード」が組み合わさった独自のインターフェースを持っています。フィールドを移動中にNPCに話しかけると会話画面へと切り替わり、コマンドを使って謎を解き進める形式です。

なお、フィールド移動中には主人公が恐竜に乗って移動する場面も登場し、世界観のシュールさを体現する演出のひとつとなっています。

漢字一文字のコマンド

本作の最大の個性のひとつが、コマンドの表示形式です。通常のファミコンRPGでは「はなす」「しらべる」「つかう」のようにひらがなや短いテキストで表示されるコマンドが、本作では「語」「調」「使」といった漢字一文字で表示されます。

全12種類のコマンドがすべて漢字一文字という仕様は、世界観の雰囲気とも合致しており、「宗教的・東洋的な雰囲気」の演出として機能しています。一方で直感的なわかりやすさという点では賛否が分かれる設計でもあります。

Aボタン連打のアクティブバトル

戦闘システムも従来のコマンド選択式RPGとは大きく異なります。本作の戦闘は「Aボタンをひたすら連打する」というシンプルな操作で進行するアクティブバトルを採用しています。コマンドを考える必要がない反面、爽快感よりも単調さを感じるプレイヤーも多く、特に後半にかけて敵の強さがインフレしていくバランスとの兼ね合いが厳しいとされています。

ゲームの構成と難所

全体的なゲームの流れは、各地の国を訪問しながらNPCとの会話やクエストをこなして進んでいく形式です。アイテムの用途説明が不足しており、中には使わずにクリアできてしまうものも存在します。また終盤の四天王との連続戦など、バランス面での調整不足が指摘される場面もあります。NPC一人との会話のたびにコマンド画面と移動画面が切り替わるため、テンポの面でやや重さを感じさせる設計となっています。


第5章|BGMの特徴|「かごめかごめ」と印象的なサウンド

本作のBGMはファミコン音源を活かした個性的な楽曲が揃っています。中でも特に印象的なのが、エンディングシーンで流れる「かごめかごめ」のアレンジBGMです。

江戸時代から伝わる日本の童謡「かごめかごめ」を、ファミコンのどこか不気味で寂しげな音源でアレンジした楽曲は、作品全体のオカルト的な世界観を象徴するものとして、プレイした多くのユーザーの記憶に深く刻まれています。ラスダンやラスボス戦のBGMについては「普通にカッコいい」という評価もあり、サウンド面では意外な見どころのある作品です。


第6章|発売当時の評価とカルトゲームとしての再評価

ゲーム誌『ファミ通』のクロスレビューでは18点(満40点)という評価を受けています。操作性・バランス・シナリオの難解さなどが指摘される一方、「独特の世界観」という個性は当時から認められていました。

発売当時は難解な世界観と操作性のために広くは受け入れられませんでしたが、現在のレトロゲームファンの間では「唯一無二のカルトゲーム」として再評価が進んでいます。駿河屋での中古価格が9,800円前後と定価を大きく上回るプレミア価格がついていることも、コレクターズアイテムとしての希少価値を示しています。

また、バーチャルコンソールなどデジタル配信での再販が行われていないため、実機でのプレイが現在も唯一の選択肢となっています。


第7章|バップのファミコンRPGとしての位置づけ

バップは音楽・映像関連事業を主軸とする企業でありながら、ファミコンソフト市場にも参入しており、本作はバップのファミコンRPG第2弾に当たります。第1弾の『元祖西遊記スーパーモンキー大冒険』(1986年)も、そのユニークな世界観とゲームデザインでレトロゲームファンの間に根強いファンを持つ作品です。

バップのRPG2作品に共通するのは「一般的なRPGの文法を外れた独自の世界観」であり、「なぜこのメーカーがこの作品を出したのか」というある種の謎が、それぞれの作品に特別な個性を与えています。


第8章|現在のレトロゲームとしての価値

定価5,500円(税抜)で発売された本作は、現在の中古レトロゲーム市場では希少性が高く、駿河屋でのカートリッジ単体の中古価格が9,800円前後というプレミア価格で取引されています。箱・説明書付きの完品ともなると、さらに高値がつく傾向にあります。

「MOTHER開発会社の作品」「バップRPG第2弾」「パッケージに書かれた究極の世紀末ロープレというキャッチコピーが嘘ではない」として、カルトゲーム愛好家やファミコンコレクターの間では一定のステータスを持つ一本です。


まとめ|あの時代にしか生まれ得なかった、唯一無二の宗教オカルトRPG

『TAO 道』は、1989年12月1日にバップからファミリーコンピュータ向けに定価5,500円(税抜)で発売されたアドベンチャーRPGです。『MOTHER』開発のパックスソフトニカが手掛けた本作は、ノストラダムスの大予言をモチーフにした世紀末世界、仏教・キリスト教・道教が交錯するストーリー、漢字一文字コマンド、Aボタン連打のアクティブバトルなど、1989年のファミコンソフトとしては際立った個性を持っています。

ファミ通クロスレビュー18点という評価が示すように、ゲームとしての完成度に課題があることは事実ですが、これほど「あの時代にしか生まれ得なかった」と感じさせる作品もなかなかありません。カルトゲームとして今なお語り継がれる本作を、機会があればぜひ体験してみてください。


本記事に記載の発売日・価格・開発元・ゲームシステムは、ファミコンゲームカタログ、ピコピコ大百科、ピクシブ百科事典(TAO道の項目)、古今ゲーム録(banshu-doukoukai.com)、レトロゲームの版権曲Wiki(Fandom)、ファミコン発売日一覧(retro-gamer.jp)、および駿河屋商品情報に基づいております。

(出典 Youtube)


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