はじめに|勇者シリーズ唯一のファミコンソフト、その正体とは
※記事内の画像は全てイメージです。実際の製品・写真とは異なります。
1992年1月11日、アイレムからファミリーコンピュータ向けに定価6,800円で発売された『太陽の勇者ファイバード』は、サンライズ制作の同名テレビアニメをゲーム化した縦スクロールシューティングゲームです。
1991年から1992年にかけてテレビ朝日系で放送された全48話のロボットアニメ「太陽の勇者ファイバード」は、勇者エクスカイザーに続く勇者シリーズの第2作として多くの子供たちを熱中させた人気作品でした。そのゲーム化として登場したファミコン版は、後に全8作を数える人気シリーズ「勇者シリーズ」の中で、唯一ファミコン向けに発売された作品という点でも歴史的な位置づけを持っています。
アイレムといえば「イメージファイト」「R-TYPE」に代表される高難易度シューティングで知られるメーカーですが、本作はアニメの対象視聴層である小学校低学年に合わせた難易度設定が採用されており、アイレムのシューティングゲームとしては異例のやさしさとなっています。本記事では、基本情報からゲームシステム・原作アニメとの関係・評価まで詳しく解説いたします。
第1章|基本情報・スペック
ピコピコ大百科・Wikipedia・ファミコンゲームカタログ・ファミコンやろうぜ!など複数の公的ソースで確認した基本スペックは以下の通りです。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| タイトル | 太陽の勇者ファイバード |
| 機種 | ファミリーコンピュータ(FC) |
| 発売日 | 1992年1月11日 |
| 発売元 | アイレム |
| ジャンル | 縦スクロールシューティング |
| 定価 | 6,800円(税抜) |
| プレイ人数 | 1人 |
ゲームの権利表記は「©1992 IREM CORP. ©SUNRISE INC. NAGOYA-TV」となっており、アイレム・サンライズ・名古屋テレビ(テレビ朝日系)の三者が権利を持っています。
本作に先立つこと約3週間前の1991年12月20日には、同じアイレムからゲームボーイ版「太陽の勇者ファイバードGB」が発売されていました。ファミコン版はこのゲームボーイ版をベースにしつつ、ステージ数を増やすなど内容を拡充したアレンジ移植という位置づけとなっています。
第2章|原作アニメの概要|テレビ朝日系で放送された勇者シリーズ第2作
ゲームの原作となるテレビアニメ『太陽の勇者ファイバード』は、1991年2月2日から1992年2月1日まで、名古屋テレビ・テレビ朝日系列で毎週土曜17:00〜17:30(JST)に全48話が放送されたサンライズ制作のSFロボットアニメです。
前作『勇者エクスカイザー』(1990年)に続く勇者シリーズの第2作目であり、前作と同じ世界観を共有しつつ、9年後の世界を舞台としています。監督は谷田部勝義氏、メカデザインは大河原邦男氏、音楽は渡辺俊幸氏が担当しました。
前作が未就学児童向けだったのに対し、本作では対象年齢が小学校低学年へと引き上げられており、世界観のリアリティやハードアクションを重視する方向にシフトしています。平均視聴率4.5%は勇者シリーズ歴代2位を記録しており、特に主人公・火鳥勇太郎のキャラクターが高い人気を誇りました。
なお、本作のファミコン版がアイレムから発売された理由として、テレビアニメ本放送時のスポンサーとしてアイレムが名を連ねていたことが挙げられています。
第3章|原作のストーリーとキャラクター
西暦2010年、悪のエネルギー生命体・ドライアスが地球に飛来し、悪の科学者Dr.ジャンゴと手を組んで地球に破壊と混乱をもたらし始めます。ドライアスを追跡して地球に来た宇宙警備隊の隊長・ファイバードは、天才科学者・天野博士が開発した人間型アンドロイドと一体化し、「火鳥勇太郎」を名乗って地球に住み始めます。
普段は博士の助手として博士の孫・天野ケンタたちと生活しながら、敵のメカ獣が現れると巨大ロボット「ファイバード」へと変形合体し、地球の平和を守るために戦います。宇宙生命体ならではのカルチャーギャップから生まれるボケと、戦闘時の頼もしさとのギャップが視聴者に好評を博しました。
主なキャスト
| キャラクター | 声優 |
|---|---|
| 火鳥勇太郎(ファイバード) | 松本保典 |
| 天野ケンタ | 伊倉一恵 |
| 天野ハルカ | 岩坪理江 |
| 天野博士 | 永井一郎 |
| Dr.ジャンゴ | 滝口順平 |
| ドライアス | 郷里大輔 |
第4章|ゲームシステムの詳細|4話構成・計10ステージの縦シュー
基本システム
本作は4話構成で、計10ステージ相当を戦う縦スクロールシューティングゲームです。残機とライフを併用した制度が採用されており、強制縦スクロールの中で敵を倒しながらステージを進んでいきます。地形に引っかかったまま画面の端に達するとライフに関わらず1ダウンとなる点には注意が必要です。
パイロット選択による難易度分岐
ゲーム開始時に、「ケンタ」と「カトリ(火鳥勇太郎)」のどちらをパイロットに選択するかによって難易度が変化します。ケンタを選ぶと難易度が低く、初めてプレイする方や低年齢のプレイヤーに向いています。カトリ(火鳥)を選ぶと難易度が上がり、ある程度シューティングゲームに慣れたプレイヤー向けの内容となります。
アイレムのシューティングゲームとしては異例のやさしさである一方、難易度「カトリ」でプレイするとそれなりの歯応えもあり、幅広い年齢層が楽しめる配慮がなされていました。
レスキューステージとアクション&シューティングステージ
各話は大きく「レスキューステージ」と「アクション&シューティングステージ」の2種類のステージで構成されています。
レスキューステージでは、バロンメカ(5体の支援ロボットチーム)を操作して時限爆弾の破壊やレスキューポッドの回収といった救助任務をこなします。シューティングとは異なるパズル的な要素が盛り込まれており、単調にならないよう工夫されています。
アクション&シューティングステージは前半と後半に分かれており、前半はファイアージェット(またはファイヤーシャトル)で戦い、後半はファイバード(またはグランバード)に変形合体して強力なボスと対決する流れとなっています。この二段構えの構成が、アニメの「変形合体」という醍醐味をゲームで再現しています。
武器とアイテム
本作の主な武器は以下の通りです。
フレイムソード:ファイバード・グレートファイバードの通常武器。ボタンを押して構えてから技を放つまでタイムラグがあります。
グランキャノン:グランバードの通常武器。使い勝手はフレイムソードと同様です。
ダイナバスター:バルカンを撃ちます。連射が可能です。
フレイムカノン:ミサイルを撃ちます。比較的威力が高い武器です。
ミサイルポッド:ホーミングミサイル。敵を自動追尾します。
アイテムとしては、天野博士の発明品「ミラクル」(何が起こるかわからないランダム効果)や、レスキューステージの残り時間を増やす「タイム」、ライフを回復するアイテムなども登場します。
ステージ間の演出
各ステージの間には、変形・合体を含む簡単なアニメーション演出が挿入されます(声はなし)。4つのストーリーの多くは、天野博士の研究所でドライアス側の邪悪なエネルギーを感知するところから始まり、アニメの世界観を忠実に再現した構成になっています。
第5章|4話のストーリー構成
本作はアニメのエピソードを参考にした4話構成となっています。
第1話「石油施設をねらえ!」 ジャンゴの地球支配の作戦は石油を無くすことでした。石油施設の破壊を阻止するため救助隊が出動します。ファイアージェットで戦い、ボスはサンドペデロンです。
第2話「海底都市の危機!」 ジャンゴの次なる作戦は海の支配。救助隊は海底都市の人々を救うため海底へ出撃します。ボスはシーレッド・ダーティです。
第3話「スペースコロニー落下!」 メカ獣がスペースコロニーを地球にぶつけようとする未曾有の危機。ファイヤーシャトルで宇宙へ向かいます。グランバードが活躍するステージで、ボスはドラグロンです。
第4話「決戦!ドライアスの要塞」 ドライアスが正体を現し、宇宙警備隊との決戦を宣言。ファイバードはグレートファイバードに最強合体し、ジャンゴの要塞に乗り込む最終決戦です。
第6章|発売当時の評価
ゲーム誌『ファミコン通信』(現ファミ通)のクロスレビューでは4・5・6・4の合計19点(満40点)、『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票では17.2点(満30点)という評価を得ています。
アイレムというメーカーの印象から「難しいシューティング」を期待したプレイヤーには肩透かしとなった面もありましたが、アニメのターゲット層である低年齢のプレイヤーに向けた設計であることを考慮すれば、世界観の再現やステージの多彩さ、変形合体の演出といった部分でアニメファンの期待に応えた仕上がりとなっています。
デモシーンのグラフィックやBGMはアニメの雰囲気をよく再現しており、「そこくらいしか見どころがない」という辛口の声がある一方で、ファイバードファンにとっては十分な満足感を与えてくれる作品として記憶されています。
第7章|現在のレトロゲームとしての価値
本作はファミコン末期(1992年)に発売されたこともあり、流通数はそれほど多くありません。またバーチャルコンソールなどデジタル配信での再販も行われていないため、現在プレイしようとすると実機と実物のカートリッジを入手する必要があります。
勇者シリーズの中で唯一のファミコンソフトという希少性から、コレクターの間では一定の需要があります。アイレムブランドのファミコンソフトとして、また勇者シリーズの貴重なゲーム化作品として、レトロゲームファンが押さえておきたい一本に数えられています。
現在、原作アニメはdアニメストア・バンダイチャンネルなどの動画配信サービスで視聴可能です。ゲームと合わせてアニメも楽しむことで、当時の世界観をより深く体験できます。
まとめ|アイレムが手掛けた、勇者シリーズ唯一のファミコンゲーム
『太陽の勇者ファイバード』は、1992年1月11日にアイレムからファミリーコンピュータ向けに定価6,800円で発売された縦スクロールシューティングゲームです。1991年〜1992年にテレビ朝日系で全48話放送されたサンライズ制作のロボットアニメを原作とし、ゲームボーイ版からの移植・拡充版として発売されました。
4話構成・計10ステージ相当の内容で、レスキューステージとアクション&シューティングステージを組み合わせた構成が特徴的です。パイロット選択による難易度分岐や、変形合体演出など、アニメの世界観をうまくゲームに落とし込んだ一本となっています。全8作を数える勇者シリーズの中で唯一ファミコン向けに発売された作品という歴史的な意義も持つ本作を、ぜひレトロゲームの一本として体験してみてください。
本記事に記載の発売日・価格・ゲームシステム・原作情報は、Wikipedia(太陽の勇者ファイバード(ゲーム)の項目・太陽の勇者ファイバード(アニメ)の項目)、ピコピコ大百科、ファミコンゲームカタログ、ファミコンやろうぜ!、BEEP公式ブログ、およびサンライズワールド公式サイトに基づいております。
(出典 Youtube)
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