
1. 『提督の決断』とは

第二次世界大戦を舞台にした本作は、光栄の「WWIIゲームシリーズ」の最初の作品であり、後に続く『提督の決断シリーズ』の第1作目でもあります。
プレイヤーは、連合艦隊司令長官または太平洋艦隊司令長官として、広範な戦略や戦術の指揮を執ることが求められます。
ゲーム内では、全48ヶ所の基地を攻略するか、敵艦船を全て撃破することが基本的な勝利条件として設定されています。
また、各シナリオごとに異なる勝利条件が設定されており、それぞれのシナリオにおいて異なる戦略が試されます。
本作の開発には、プロデューサーとしてシブサワ・コウが名を連ね、音楽は作曲家の宮川泰が手掛けたことも、本作品の魅力の一つです。
さらに、1990年には他の多くの日本国産パソコンに移植され、その後、スーパーファミコンやメガドライブといった家庭用ゲーム機にも展開されました。
海外では、『P.T.O.』というタイトルでリリースされたことでも知られています。
ゲーム内では、日本の主要な母港を拠点にしつつ、艦隊の指揮を執ることとなり、戦略の立案や技術開発の重要性が戦局に大きな影響を与えます。
特に艦船の改修や新兵器の開発を通じて、技術力の進化を図ることで、プレイヤーはより優位に立って戦況をコントロールすることが可能です。
このように、『提督の決断』は、ただの戦術ゲームではなく、変化する戦況の中で正確な判断が求められる戦略シミュレーションゲームとして、多くのプレイヤーの心を掴んで離さない魅力を持っているのです。
2. 多彩なプラットフォーム展開

スーパーファミコン版においては、いくつかの仕様変更が行われ、その一例として将兵への休暇のコマンドが「慰労」から「休暇」に名称変更されています。また、画像やBGMにも一部改変が施されたバージョンも存在し、プラットフォームごとの違いを楽しむことができるようになっています。しかし、これら仕様変更はゲームの整体に大きな影響を及ぼすものではなく、むしろそれぞれの機種の特性を活かした工夫とされています。
『提督の決断』の多彩なプラットフォーム展開は、当時のゲームファンに広く支持され、異なる環境でのゲーム体験を可能にしています。また、これによりゲームの知名度が上がり、多くのユーザーが手に取る機会を得たことも成功の一因となりました。このように、『提督の決断』はその時代のプラットフォームに合わせた適応を見せ、戦略シミュレーションゲームの歴史の中でも一際輝く存在として名を刻んでいます。
3. ゲームの基本的な流れ

第二次世界大戦をテーマにしたこのゲームは、リアルなシナリオを基に、プレイヤーは連合艦隊司令長官、または太平洋艦隊司令長官として、戦略的な決断を迫られる場面を体験できます。
ゲームの目標は決まっている48ヶ所の全基地を攻略するか、敵の艦船を全滅させることです。
ゲームの進行は、プレイヤーが母港から艦隊を指揮し、コマンド入力で移動や戦闘を行う形で進みます。
展望戦略画面では全体の作戦方針を立てることができ、戦局に応じて艦船の改修や新兵器の開発も可能です。
技術力を高めることで、プレイヤーは一歩先を行く戦略を仕掛けることが可能となります。
また、日本側の提督にはそれぞれ「経験」や「作戦」などのパラメータが存在し、戦闘や作戦参加により成長し、次第に指揮の幅が広がっていきます。
外交面でも重要な要素があり、技術や兵器の供与、同盟の構築を通じて情報収集力を強化し、イギリスやオランダなどとの関係性を深めることが可能です。
このような戦略的要素に富んだプレイスタイルが、本作の魅力を引き立てています。
登場する艦船や新型爆弾の生産に至るまで、細部にわたって綿密にプログラムされ、一作戦では終わらない長い戦局を通して戦略思考が求められる作品です。
『提督の決断』は、単なるゲームを超えた歴史シミュレーションとして、多くのユーザーを魅了し続けています。
4. 提督と外交の要素

外交の要素もこのゲームを彩ります。外交交渉では、技術や兵器の供与、同盟交渉を展開することができ、これによりゲーム内での戦略が大幅に広がります。成功すれば、イギリスやオランダ、オーストラリアなどの基地や艦船が味方となり、これが戦況を一変させる力を持っています。敵国の戦力を我が陣営に組み入れることができるというのは、画期的なシステムです。ゲーム内でこれらの外交を駆使することで、単なる戦闘の繰り返しではない、より深みのある戦略を楽しむことができるのです。
これにより、『提督の決断』は単に戦いに勝つだけではなく、いかに効率的に味方を増やし、長期的な視点で戦局を見据えるかという、プレイヤーの思考を大いに刺激する内容となっています。提督の育成と外交交渉、これらが絶妙に絡み合うことで、プレイヤーは歴史に名を残すような決断を迫られるのです。
5. まとめ

この作品は、プレイヤーが連合艦隊の司令長官または太平洋艦隊の司令長官として指揮を執り、戦略を駆使して敵を攻略する楽しさを提供しています。
舞台が第二次世界大戦という歴史的背景に設定されていることで、リアルなシナリオを体感できる点も大きな魅力の一つです。
ゲームでは、各基地の攻略や敵艦船の全滅が基本的な勝利条件であり、選ばれた提督や技術開発、新兵器の導入が戦略性を高める要因となっています。
20名までの提督それぞれに設定された「艦船」「航空」「作戦」「勇猛」「経験」のパラメータが物語るように、多彩な戦術が用意されているのです。
また、外交交渉においても他国と連携し、基地や艦船を組み入れることができるなど、戦況を有利に進めるための選択肢が多岐にわたります。
これらの要素が組み合わさることで、ただの戦術ゲームに留まらず、深い思考と判断が求められる『提督の決断』がシリーズの基盤を築いたのだと考えられます。