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『ふぁみこんむかし話 新・鬼ヶ島』は、1987年にファミリーコンピュータ ディスクシステム向けに発売された、任天堂初のテキストアドベンチャーゲームです。前編は1987年9月4日、後編は同年9月30日に発売され、前後編の2本で1つの物語を楽しむ形式が当時のゲームファンを驚かせました。この記事では、発売日や対応機種といった基本仕様から、あらすじ、遊び方、続編や移植までを、前編と後編をひとまとめにして解説します。昔話がごちゃ混ぜになった不思議な世界を、あらためて振り返ってみましょう。
1.ふぁみこんむかし話 新・鬼ヶ島とは?作品の概要
『ふぁみこんむかし話 新・鬼ヶ島』(ふぁみこんむかしばなし しん・おにがしま)は、任天堂が発売したアドベンチャーゲームです。開発はパックスソフトニカと任天堂が共同で行いました。監修は宮本茂さん、脚本・演出は菱田達也さん、音楽は近藤浩治さんが担当しています。
本作は、任天堂が初めて発売したテキストアドベンチャーゲームです。それまでの任天堂といえばアクションゲームのイメージが強く、コマンドを選んで物語を読み進めるタイプの作品は新鮮な存在でした。
さらに、前編と後編の2部構成で発売された点も大きな特徴です。ディスクカード1枚では完結しない作りは、本作が初めての試みでした。後にこの形式は『ふぁみこんむかし話 遊遊記』や『ファミコン探偵倶楽部』などにも受け継がれていきます。
2.前編・後編の発売日と基本仕様
まずは、任天堂が公開している情報をもとに、発売日と基本仕様を整理します。
- タイトル:ふぁみこんむかし話 新・鬼ヶ島(前編・後編)
- 前編の発売日:1987年9月4日(金)
- 後編の発売日:1987年9月30日(水)
- 対応機種:ファミリーコンピュータ ディスクシステム
- 発売元:任天堂
- ジャンル:アドベンチャー
- 主人公:どんべ、ひかりの2人(任意の名前が入力可能)
前編と後編の発売日には約4週間の開きがありました。前編を遊び終えたあと、後編の発売を待ちわびたファンも多かったのではないでしょうか。なお、後編を遊ぶには前編をクリアした状態から進める形になっています。
3.物語のあらすじと登場キャラクター
物語の舞台は、長串村という小さな村です。子どもがいないおじいさんとおばあさんは、毎日お地蔵さまに子どもを授けてほしいと祈っていました。
ある日、おじいさんは山の竹やぶで女の赤ん坊を、おばあさんは川で男の赤ん坊を見つけます。2人は喜んで、この赤ん坊たちを自分たちの子として育てることにしました。この男の子が「どんべ」、女の子が「ひかり」です。
やがて2人が大きくなるころ、鬼や龍が周囲を荒らしまわるようになります。しかも、それは子どもたちの生まれの秘密とつながりがありそうでした。どんべとひかりは、はてしない旅へと出発します。
登場キャラクターは、どんべとひかりの他に、おじいさん、おばあさん、金太郎などです。ユーモアたっぷりの人物が次々と現れ、旅を盛り上げてくれます。
4.遊び方とコマンドシステムの特徴
遊び方は、十字ボタンでコマンドを選び、Aボタンで決定するというシンプルなものです。使えるコマンドは次の通りです。
- みる:ものを見ます
- とる:ものを取ったり、着物を脱いだりします
- はなす:誰かと話します
- あける:扉や箱などを開けます
- つかう:主人公が持っているもちものを使います
- たたかう:誰かと戦います
- いどう:ほかの場所へ移動します
- ひとかえる:操作する主人公を入れ替えます
- もちもの:主人公が持っているもちものを確かめます
本作ならではの仕組みが、「ひとかえる」コマンドで2人の主人公を切り替える遊びです。どんべにはできてひかりにはできないこと、その逆もあり、登場人物の反応も変わります。どんべはぶっきらぼうな挨拶、ひかりはていねいな挨拶をするなど、2人の個性の違いも楽しめます。
物語が進まなくなったら、主人公を入れ替えてさまざまなコマンドを試すのが攻略の基本です。アイテムも2人が別々に持つため、誰が何を持っているかを整理しながら進める必要があります。
5.昔話を混ぜ合わせた世界観と独特の演出
タイトルに「鬼ヶ島」とあるように、『桃太郎』が物語の下敷きになっています。そこに『金太郎』『浦島太郎』『かぐや姫』など、誰もが知る昔話の要素やキャラクターが融合されているのが最大の魅力です。
語り部として登場する「いったいさん」は、『一休さん』がモチーフです。頭に髪の毛が1本だけ生えているという特徴から、1本付け足して「一体さん」になったと言われています。
当時のファミコンやディスクシステムのアドベンチャーゲームでは、ミステリーやSFが定番でした。そのなかで、ユーモアやギャグが満載の和風ファンタジーだった本作は、かなり異色の存在でした。テキストが縦書きで表示される画面レイアウトも、昔話の雰囲気にぴったりでした。
また、禁じられたことや罰当たりなことをすると罰を受け、そのままゲームオーバーになる場面があります。うっかり行動できない緊張感があるため、メモを取りながら慎重に進めるのが楽しみ方のコツです。
6.前後編という形式が果たした役割
本作は、初の2枚組ディスクカードソフトでもありました。当時はメガロムの登場により、ロムカセットに比べてディスクカードの容量が不利になっていました。その不足を補う手段として、2枚組という方法が用いられたのです。
この形式によって、ディスクシステムでも長編の物語を遊べるようになりました。前編と後編で章が分かれることで、区切りごとに物語の余韻を味わえる点もメリットです。後年には、前後編に分けて発売するアドベンチャーが定番になっていきます。
7.続編・移植・関連作品
本作には、複数の関連作品があります。主なものを紹介します。
- BS 新・鬼ヶ島:1996年9月29日、衛星データ放送のサテラビュー向けに全4話が配信されました。
- 平成 新・鬼ヶ島:BS版をリメイクしたスーパーファミコン用ソフトで、1997年に書き換えサービスで提供されました。その後、パッケージ版も発売されています。ディスク版の前編・後編も、条件を満たすと遊べる隠し要素として収録されています。
- ファミコンミニ:2004年8月10日にゲームボーイアドバンス向けの「ディスクシステムセレクション」として発売されました。1本のカートリッジに前編と後編の両方が収録されています。
『平成 新・鬼ヶ島』は、フィギュアスケーターの羽生結弦さんが2022年2月14日放送のテレビ番組で「僕の原点」のひとつとして語り、大きな話題になりました。お供の犬、猿、キジにスポットが当たる外伝的な物語で、前作の主人公たちの前世も描かれます。
さらに、任天堂の国民投票企画では、「鬼」といえばのテーマで第1位、「アドベンチャーゲーム」といえばのテーマで第4位、「和」といえばのテーマで第2位に入りました。発売から長い年月が経っても、多くの人の記憶に残っている作品であることがわかります。
8.現在『新・鬼ヶ島』を遊ぶ方法
ディスクシステム本体やディスクカードは入手が難しくなっていますが、現在は別の方法でも遊べます。任天堂の公開情報では、ファミコン、ゲームボーイアドバンス、Wii、ニンテンドー3DS、Wii U、Nintendo Switchといった本体で遊べるとされています。
Nintendo Switch Onlineに加入すれば、Switchでも本作を遊べます。中古市場では、前編・後編のディスクカードや攻略本が出回ることもあります。ただし、ディスクカードは経年劣化する場合があるため、購入前に動作確認の有無を確かめておくと安心です。
9.まとめ
『ふぁみこんむかし話 新・鬼ヶ島』は、1987年9月4日に前編、同年9月30日に後編が発売された、ディスクシステム用のアドベンチャーゲームです。任天堂初のテキストアドベンチャーであり、初の2枚組ディスクカードソフトでもありました。
昔話が入り混じる世界観、どんべとひかりを切り替える遊び、ユーモアたっぷりの演出は、今遊んでもまったく色あせていません。前編と後編をひとつの物語として通して遊べば、昭和の終わりにファミコンで味わった冒険の楽しさが、きっとよみがえってきます。気になった方は、ぜひ一度遊んでみてください。
(出典 Youtube)
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