はじめに|「至高のキャラゲー」と呼ばれる、漫画版の物語が凝縮された一本
※記事内の画像は全てイメージです。実際の製品・写真とは異なります。
1989年4月25日、ナムコからファミリーコンピュータ向けに定価5,500円(税抜)で発売された『デビルマン』は、永井豪先生原作の伝説的漫画作品を題材にした横スクロールアクション+アドベンチャーゲームです。
ファミコンのキャラクターゲームや版権ゲームといえば、「出来が微妙」と評されることも多いジャンルです。しかし本作は「漫画版の物語が凝縮された至高のキャラゲー」と評され、発売から35周年を迎えた現在でもその評価が語り継がれています。
漫画版デビルマンをベースにアニメ版・小説版の要素を加えた原作リスペクトの強いストーリー、「不動明」「デビルマン」「巨大デビルマン」という3段階の変身システム、IKARIゲージ・HUMANゲージという独自の二重ゲージ設計、そして3種類のマルチエンディングという、1989年のファミコンソフトとしては野心的な内容が詰め込まれています。本記事では、基本情報から原作の背景・ゲームシステム・評価まで詳しく解説いたします。
第1章|基本情報・スペック
複数の公的ソースで確認した基本スペックは以下の通りです。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| タイトル | デビルマン |
| 機種 | ファミリーコンピュータ(FC) |
| 発売日 | 1989年4月25日 |
| 発売元 | ナムコ |
| ジャンル | アクション(横スクロールアクション+アドベンチャー) |
| 定価 | 5,500円(税抜) |
| プレイ人数 | 1人 |
| 権利表記 | ©1989 NAMCO LTD. ©ダイナミック企画・CIC |
権利表記に「ダイナミック企画・CIC」が記載されていることからも、原作漫画の版権元(ダイナミック企画)とアニメの権利元(CIC)の両方からライセンスを受けた作品であることが確認できます。
第2章|原作「デビルマン」について
本作の原作である「デビルマン」は、永井豪先生が『週刊少年マガジン』に1972年から1973年にかけて連載した漫画作品です。同時期にNETテレビ(現・テレビ朝日)でテレビアニメも放映されましたが、漫画版とアニメ版は「同一の基本設定を使用して描かれた2つの独立した作品」という関係にあり、内容は大きく異なります。
漫画版のテーマは「ホラー」と「黙示録的な大河SF」であり、連載を経るごとに終末的な要素を強めていく重厚な物語は、現在も「日本漫画史に残る傑作」として高い評価を受けています。2017年3月時点で全世界累計発行部数は5,000万部を突破しています。
主人公は不動明。幼なじみの飛鳥了から、人類の先住者デーモン族が200万年の眠りから目覚めて復活しようとしていることを告げられます。了の提案に従い、不動明は勇者と呼ばれるデーモン・アモンと合体し、デーモンの力と人間の心を持つ存在「デビルマン」として生まれ変わります。
ファミコン版は、このアニメ版ではなく漫画版の物語をベースにアニメ版・小説版の要素を加えたゲームです。
第3章|ゲームのストーリー|デーモン族の復活と、人類と悪魔の戦い
ゲームのストーリーは漫画版に準拠しており、不動明がアモンと合体してデビルマンとなり、人類と悪魔の戦いに巻き込まれていく物語が描かれます。
ゲームは漫画版の冒頭から最終盤まで網羅しており、原作ファンならば「このシーンが!」と驚くエピソードが次々と登場します。サイコジェニーをはじめとするボスキャラクターたちも原作から登場し、漫画版を知っているプレイヤーほど深く楽しめる設計となっています。
そして原作漫画最大の特徴でもある「あの衝撃的な結末」についても、本作ではゲームオーバーとなった結末として用意されています。一方で、ゲームオリジナルのエンディングにおいては原作とは異なる展開も用意されており、「原作の結末を変えられる」という、漫画版ファンにとって心揺さぶられる要素が本作の大きな魅力となっています。
第4章|ゲームシステム詳細|IKARIゲージとHUMANゲージという二重設計
基本的なゲームプレイ
本作は横スクロールのサイドビュー形式のアクションゲームです。基本攻撃はパンチのみというシンプルな設計ですが、アドベンチャー要素として人間キャラクターとの会話や情報収集が攻略に欠かせない要素として組み込まれています。
「話すだけでなく殴らないと情報をくれない人もいる」という設計は、デビルマンという作品の世界観と原作のシリアスさを反映した、1989年のファミコンソフトとしては斬新な要素です。
3段階の変身システム
本作の核心となるのが、主人公が3つの形態を使い分けるシステムです。
不動明形態:生身の人間状態。人間と会話ができますが、戦闘能力は低く、デーモンには対抗しにくい状態です。
デビルマン形態:デーモンの力を解放した変身状態。攻撃力が大幅に上昇し、ジャンプ力もアップします。一方で人間から怖がられてしまうため、人間キャラクターとの会話ができなくなります。
巨大デビルマン形態:さらにパワーアップした巨大化形態。空を飛ぶことができますが、巨大化する方法がゲーム内で分かりにくいという難点があります。デビルマン時にさらに特定の条件を満たすことで巨大化・飛行が可能になります。
IKARIゲージ(怒りゲージ)
不動明の状態で敵(デーモン)を倒すことでIKARIゲージが溜まっていきます。このゲージが溜まった状態でデビルマンに変身すると、デビルマン時にIKARIゲージを消費して火炎攻撃(飛び道具)を使用することができます。ボス戦ではHP(ライフ)を温存しながら遠距離から飛び道具を当てることが有効な攻略法となっています。
HUMANゲージ
「助けを求める人間を救うことでHUMANゲージを維持する」というシステムも搭載されています。助けを求める人間を無視しすぎるとゲームオーバーになるという仕様であり、「人類を守るために戦うデビルマン」という原作のテーマをゲームシステムとして表現した要素となっています。
ライフ制と回復
本作はライフ制を採用しており、ライフの回復はデーモンを一定数倒すか、イベントを経験することで行われます。一般的なRPGのようにアイテムで即時回復する仕組みではないため、ライフ管理が攻略の重要な要素となります。
キャラクターチェンジ
特定の場面では、牧村美樹や不良など、不動明以外のキャラクターを操作するシーンも用意されています。物語の展開に合わせてキャラクターが切り替わるという演出は、当時のファミコンソフトとしては珍しい試みです。
第5章|マルチエンディングという野心的な設計
本作の大きな特徴のひとつが、フラグの立て方によって結末が変わる3種類のマルチエンディングです。
バッドエンド(人類滅亡エンド):必須イベントをスキップしたり、重要なフラグを立てずに進んでしまった場合に発生する結末です。どのイベントが重要かがゲーム内で明示されにくいため、初見プレイでこの結末になってしまうプレイヤーが多いという難点もあります。
原作エンド:ラスボスであるサタン(飛鳥了)との戦いに敗北した場合に発生する、漫画版原作に準じた結末です。原作を読んだことがあるプレイヤーにとっては、あの衝撃的な展開がゲームでも再現されるという、感情を揺さぶられるエンディングです。
オリジナルエンド:サタンに勝利した場合に発生する、原作とは異なるゲームオリジナルの結末です。デビルマンが神々に対峙するという独自の展開が描かれます。「原作の結末を変えられる」という点が、漫画版ファンから特に高く評価されているエンディングです。
このマルチエンディングの設計は「発売35周年!ファミコン版デビルマンは漫画版の物語が凝縮された至高のキャラゲーだった」という評価の中でも特に高く評価されており、「みんなあの結末が嫌いなの?」という言葉とともに、原作ファンの心理をついた意欲的な設計として語り継がれています。
第6章|評価の二面性|「漫画ファンには秀作、ゲームとしては難点もあり」
本作の評価は、原作を知っているかどうかによって大きく異なるという二面性を持っています。
ゲーム誌「ファミコン通信」のクロスレビューでは合計18点(満40点)という評価でした。これは当時のキャラクターゲームとしても低めの評価です。
批判的な評価としては以下の点が挙げられています。
キャラクターの動きがもっさりしている:キャラクターのグラフィックは大きく描かれているものの、敵味方の動きがゆっくりとしており、スピーディな一進一退の攻防が楽しみにくい点が指摘されています。
ヒントの乏しさと迷いやすいマップ:どのイベントが重要かの案内が少なく、マップも迷いやすい設計であることから、情報なしで攻略することが難しいレベルの難易度となっています。
バッドエンドになりやすい:重要なフラグが何であるかが分かりにくいため、ノーヒントでプレイするとバッドエンドになりやすく、「何がいけなかったのか?」が表示されない点への不満もあります。
一方で肯定的な評価としては、「ストーリー自体はしっかりデビルマンしていてなかなか面白い」「漫画版を読んでからプレイするとマジで面白い」「漫画版の物語が凝縮された至高のキャラゲー」という声があり、原作への忠実さとマルチエンディングの設計は高く評価されています。
第7章|現在のレトロゲームとしての価値
本作は現在の中古レトロゲーム市場でプレミア価格がついており、駿河屋では「プレミア価格」と表記されています。バーチャルコンソールやNintendo Switch Onlineへの配信も行われていないため、プレイするには実機とカートリッジが必要です。
永井豪先生の「デビルマン」という漫画作品が、時代を超えて漫画ファン・映像作品ファンから高い評価を受け続けていることと、漫画版の物語を丁寧にゲーム化したという本作の特性から、デビルマンファンにとってのコレクターズアイテムとしての需要が根強いものがあります。
発売から35年以上が経過した現在でも「至高のキャラゲー」と評され、漫画版デビルマンの結末を変えられるというオリジナルエンドへの挑戦を試みるプレイヤーが現れ続けているという事実が、本作の持つ独自の魅力を証明しています。
まとめ|原作ファンのために作られた、漫画版デビルマン完全再現の挑戦作
『デビルマン』は、1989年4月25日にナムコからファミリーコンピュータ向けに定価5,500円(税抜)で発売されたアクションアドベンチャーゲームです。永井豪先生原作の漫画版デビルマンをベースに、アモンと合体してデビルマンとなった不動明が人類とデーモン族の戦いに挑む物語を、3段階の変身システム・IKARIゲージ・HUMANゲージ・3種類のマルチエンディングという野心的な設計で表現しています。
動きのもっさりさやヒントの乏しさという難点はあるものの、「ストーリー自体はしっかりデビルマンしている」「漫画版を知ってからプレイすると面白い」という評価の通り、原作ファンには忘れられない体験を提供できる一本です。あの衝撃的な原作の結末を「変えられる」かどうか——その挑戦のためだけでも、デビルマンファンには試していただきたい作品です。
本記事に記載の発売日・価格・ゲームシステム・原作情報・評価情報は、複数の信頼できる情報源に基づいて執筆しております。
(出典 Youtube)
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