はじめに|日本より海外で有名なファミコンの名作
※記事内の画像は全てイメージです。実際の製品・写真とは異なります。
1984年4月21日、任天堂からファミリーコンピュータ向けに定価3,800円で発売された『ダックハント』は、光線銃型コントローラ「ガン」を使ってカモを撃ち落とすガンシューティングゲームです。
本作はファミコン向け光線銃シリーズの第2弾として登場しましたが、その歴史はファミコンよりずっと古く、1976年に任天堂が発売した玩具「光線銃ダックハント」を原型としています。つまり本作は1984年に生まれたまったくの新作ではなく、1970年代の任天堂が誇った光線銃玩具の世界観をファミコン上に再現したゲームなのです。
日本国内での知名度はそれほど突出したものではありませんが、北米ではNES(ファミコンの欧米版)本体との同梱販売が行われたことにより、バンドル版を含めた世界販売本数は2,831万本を記録し、NESソフト歴代売上本数第2位という驚異的な記録を樹立しています。
また、失敗したときに画面内の犬が「笑う」演出、そして2014年に『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U』への犬とカモのキャラクター参戦と、ゲームを離れた場所での知名度も持つ個性豊かな作品です。本記事では、基本情報から光線銃の仕組み・ゲームシステム・世界的な展開まで、『ダックハント』のすべてを詳しく解説いたします。
第1章|基本情報・スペック
任天堂公式Wii Uページ・Wikipedia・Nintendo DREAM WEB(任天堂プロダクトカタログ付録)・光線銃シリーズWikipedia記事など複数の公的ソースで確認した基本スペックは以下の通りです。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| タイトル | ダックハント(Duck Hunt) |
| 機種 | ファミリーコンピュータ(FC) |
| 発売日 | 1984年4月21日 |
| 発売元 | 任天堂 |
| ジャンル | ガンシューティング |
| 定価 | 3,800円 |
| 対応コントローラ | 光線銃型コントローラ「ガン」(必須) |
| CERO | A(全年齢対象) |
| Wii Uバーチャルコンソール配信日 | 2014年12月24日 |
| 世界販売本数 | 約2,831万本(バンドル版含む) |
本作は光線銃型コントローラ「ガン」がなければプレイできない仕様となっており、通常のコントローラでは遊べません。また光線銃の仕組み上、液晶テレビやワイド画面では作動せず、ブラウン管テレビでしか正常に動作しないという制限があります(Wikipedia・光線銃シリーズの項目より)。
第2章|原型は1976年の玩具|任天堂光線銃の歴史
本作を理解するには、1970年代の任天堂の歴史を知ることが欠かせません。
Wikipediaによれば、ファミコン版『ダックハント』は「任天堂が1970年代に展開していた玩具『光線銃シリーズ』の一種として1976年に発売された『光線銃ダックハント』を基にしている」と明記されています。
1976年発売の玩具版「光線銃ダックハント」は、プロジェクターで壁にカモの影を投影し、その影を銃で撃ち落とすという仕組みの玩具でした。スマッシュブラザーズWikiの記述でも「プロジェクターで壁にカモの影を投影してそれを銃で撃ち落とすというものだったが、おもちゃとしては大変高価なものになってしまった」と紹介されており、コスト面の課題があったことが記録されています。この「光学的にターゲットを検出して命中判定を行う」というコンセプトを、ファミコンの光線銃システムとして家庭向けに実現し直したのが1984年のファミコン版本作です。
なお任天堂が1984年に発売したファミコン向け光線銃シリーズの第1弾は同年4月21日発売の「ワイルドガンマン」であり、本作「ダックハント」は同日発売の第2弾に当たります。
第3章|光線銃の仕組み|ブラウン管テレビとの連携技術
本作の根幹をなす「光線銃(ガン)」の仕組みについて、Weblio辞書(光線銃シリーズの項目・Wikipedia転載)で確認できる技術的な解説は以下の通りです。
「トリガーを引くとゲーム画面がターゲットの位置のみ白く表示される識別用の画面に切り替わり、銃口のセンサーがこれを感知して命中判定を行う。この識別用画面の表示は一瞬のため、人間の目には画面がちらつく程度にしか認識されない」という仕組みです。
つまり引き金を引いた瞬間に、ターゲットの部分だけを白く光らせた画面を一瞬だけ映し出し、銃口のセンサーがその光を検知できたかどうかで命中判定を行うという構造です。このメカニズムは液晶テレビでは残像・応答速度の問題から再現できないため、ブラウン管テレビでのみ正常に動作します。現代においてWii Uのバーチャルコンソール版でこのゲームを楽しむ場合は、Wiiリモコンを照準の操作に使用する方式に変更されています(任天堂公式Wii Uページより)。
第4章|ゲームシステム詳細|3つのゲームモード
本作にはWikipedia・光線銃シリーズの項目で確認できる3種類のゲームモードが用意されています。
GAME A|カモ1羽撃ちモード
フィールドからカモが1羽ずつ飛び立ちます。1羽につき3発以内にカモを仕留める必要があります。弾を3発すべて撃ち外すか時間が経過するとカモが逃げてしまい、草むらに潜んでいた猟犬が画面から顔を出して笑うという演出が流れます。ラウンド内に規定数のカモを仕留めればラウンドクリアです。
GAME B|カモ2羽同時撃ちモード
GAME Aの難易度アップ版で、カモが2羽同時に飛び立ちます。3発という弾数制限の中で2羽を仕留めることが求められるため、弾の無駄撃ちが許されない難易度となっています。
GAME C|クレー射撃モード
手前から奥へ飛んでいくクレーを撃つモードです。通常の狩猟ではなく射撃競技のクレー射撃を再現したもので、GAME AおよびBとはルールが異なります。
Weblio辞書(光線銃シリーズの項目)によれば「当時のファミコン最初期のラインナップのうち通常のゲームは難易度別に初心者向けのGAME Aと上級者向けのGAME Bがスタート時に選択できるが、光線銃シリーズはそれに加えてGAME Cがあり、AやBとは違うルールのゲームを遊べるようになっていた」という点でも、光線銃シリーズは当時のファミコン最初期ソフトとして独自の位置づけを持っていました。
第5章|「笑う犬」というポップカルチャー現象
本作を語る上で外せないのが、失敗時に登場する猟犬の「嘲笑」演出です。
ピクシブ百科事典によれば「ファミコン版で登場する猟犬は、茂みに入り込み、カモを茂みの外を追いやるのが役目である。打ち落としたカモの襟首を持ち上げ、しっかり獲物を捕れたことをアピールしてくれる」という役割を持っています。しかしカモを仕留められなかった場合は、同じ犬がクスクスと笑って画面外へ去っていくのです。
スマッシュブラザーズWikiの記述によれば「失敗時にしてくる犬の煽り顔は散々ネタにされており、嫌いなゲームキャラランキングに入るという不名誉な記録を持っている」とされており、この犬の笑顔は1980年代のゲームプレイヤーにとってトラウマ的な記憶となっています。
「狩猟の補佐という本来の役割があるにもかかわらず、失敗したプレイヤーを笑う」というこの犬のキャラクター性は、ゲーム史においてもユニークな存在感を持っており、日米を問わず多くのプレイヤーの記憶に刻まれています。
第6章|NESとのバンドル販売|世界2831万本の秘密
本作が世界的な知名度と2,831万本という驚異的な販売本数を誇る最大の理由は、北米市場でのNES(Nintendo Entertainment System)とのバンドル販売にあります。
Wikipedia(ダックハントの項目)によれば「アメリカでは、Nintendo Entertainment System(ファミリーコンピュータの欧米版)の本体に本作などを同梱したバンドル版として『Deluxe Set』と『Action Set』が発売された。この影響もあり、本作の売り上げはバンドル版を含めて2,831万本を記録している」ことが確認されています。
また光線銃シリーズWikipedia記事では「NESのビデオゲーム売上本数第2位の2,831万本を記録」と明記されており、この数字はNESソフト全体の中で歴代2位という驚異的な順位です。
本体購入と同時に手に入るソフトであったがゆえに、1980年代のアメリカで子供時代を過ごした世代の多くが本作を「最初に遊んだゲームのひとつ」として記憶しています。この普及経緯が、現在の欧米でのダックハントの圧倒的な知名度を生んでいます。
第7章|各プラットフォームへの展開
アーケード版「VS. Duck Hunt」
Wikipediaによれば、欧米では任天堂VS.システムを使用したアーケードゲーム版「VS. Duck Hunt」がアメリカで1984年4月に、ヨーロッパで1987年に稼働開始しました(日本では未稼働)。
Wii Uバーチャルコンソール版(2014年12月24日)
任天堂公式Wii Uページで確認できる通り、2014年12月24日にファミリーコンピュータ版を移植したWii Uのバーチャルコンソール用ソフトが日本と欧米で発売されました。バーチャルコンソール版ではWiiリモコンを照準の操作に使用する方式に変更されており、現代のテレビでも楽しめる仕様となっています。
第8章|大乱闘スマッシュブラザーズへの参戦
本作のキャラクターが現代ゲームシーンで再び脚光を浴びたのが、2014年発売の『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U』です。
Wikipedia(光線銃シリーズの項目)・スマッシュブラザーズWikiで確認できる通り、本作の犬とカモが「ダックハント」名義でスマブラのファイターとして参戦しました。光線銃シリーズの3作品(ダックハント・ワイルドガンマン・ホーガンズアレイ)をモチーフにした技を使うという設計で、「最後の切りふだ」は「光線銃セット」という名称です。
スマッシュブラザーズWikiによれば、ダックハントはスマブラに登場するキャラクターの中で「鴨の方はこちら(1976年の玩具版)が初登場作品。なのでスマブラに登場するキャラクターの中では最古参」という位置づけも持っています。
ゲームプレイ中に笑って煽っていた「嫌われ者」の犬が、30年後に世界的な格闘ゲームの公式ファイターとして帰ってくるという展開は、多くのプレイヤーに驚きと懐かしさをもたらしました。スマブラ参戦を機に本作の存在を知った若い世代も多く、改めてダックハントの世界観に触れるきっかけとなっています。
まとめ|1976年の玩具から2831万本のNESソフトへ——ダックハントの長い旅
『ダックハント』は、1984年4月21日に任天堂からファミリーコンピュータ向けに定価3,800円で発売されたガンシューティングゲームです。1976年発売の玩具「光線銃ダックハント」を原型とし、ブラウン管テレビと光線銃の光学的な仕組みを組み合わせた革新的なシステムのもと、GAME A(カモ1羽)・GAME B(カモ2羽)・GAME C(クレー射撃)という3モード構成で発売されました。
北米ではNES本体とのバンドル販売により世界販売本数2,831万本(NESソフト歴代第2位)という記録を達成し、失敗時に笑う犬のキャラクターはポップカルチャー的な知名度を獲得。2014年には大乱闘スマッシュブラザーズのファイターとして犬とカモが参戦し、40年を超える歴史を持つキャラクターが現役のゲームシーンに返り咲きました。
日本よりも海外でその名が知れ渡っているという珍しい立ち位置を持つファミコンソフトとして、レトロゲームの歴史を語る上で欠かせない一本です。
本記事に記載の発売日・価格・ゲームシステム・販売本数は、Wikipedia(ダックハントの項目・光線銃シリーズの項目)、任天堂公式Wii Uページ、Nintendo DREAM WEB(任天堂プロダクトカタログ)、Weblio辞書(光線銃シリーズ項目・Wikipedia転載)、ピクシブ百科事典(ダックハントの項目)、大乱闘スマッシュブラザーズWiki(スマッシュブラザーズwiki.info)に基づいております。
(出典 Youtube)
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