
1. 『巨人のドシン』とは
これは、飯田和敏監督による三部作、『アクアノートの休日』と『太陽のしっぽ』に続く最後の作品です。
このゲームは、アートディンクとパーラムの共同開発により、南国の島バルドを舞台に独自の世界観を提供します。
ゲームプレイは、プレイヤーが巨大なキャラクターを操作し、島の自然と人々との相互作用を通じて進行します。
プレイヤーは地形を編集し、島民との関係を築くことで物語を進めますが、ゲームの終わりや目的は設定されていません。
そのため、自由度の高いプレイが可能となっており、特に目的がなくとも日々の冒険が楽しめます。
島では様々な色の島民が生活しており、彼らの行動や建造物がプレイヤーの行動に反応します。
異なる文化が交差し、新たな集落を創り上げることで、プレイヤーは独自のコミュニティを作り上げることができます。
また、プレイヤーの行動は好感度に影響を与え、巨人の成長に繋がる要素を含んでいます。
このゲームは後にニンテンドーゲームキューブにも移植され、新たな視覚体験を提供しました。
また、『巨人のドシン解放戦線 チビッコチッコ大集合』では、シリーズに新たな視点とゲームプレイが加わりました。
この派生作品では、巨人が囚われの身となり、子供たちの解放戦線が描かれますが、より具体的な目的をインストールすることで元の作品とは異なる体験が提供されました。
2. ゲームの舞台とストーリー
バルド島の一日は、巨人による地形の変化や村の発展など、さまざまな出来事で彩られます。巨人は地形を操作する能力を持ち、島民の生活に影響を与えます。これにより、島の自然環境や風景が劇的に変化することがあります。また、島民同士の交流が進むと、新しい建物が建てられ、島全体の雰囲気が変わっていきます。プレイヤーは巨人となり、これらの要素を楽しんで体験できます。この自由度の高さが『巨人のドシン』の大きな魅力です。
3. プレイヤーと巨人の役割
このゲームには通常のゲームクリアやゲームオーバーといったものはなく、プレイヤーに多くの自由度が与えられています。しかし、自由に行動する中で、島民たちがすべてのモニュメントを建築することが一つの目標となります。モニュメントが完成すると、島の物語が終わりを迎え、プレイヤーは達成感を味わうことができます。
巨人は、ただ行動するだけでなく、島民の好感度にも影響を与えます。行動によっては島民からの評価が上がり、より多くのハートやドクロを得ることができるようになります。しかし、巨人が急成長すると、その圧倒的な体格から島民を踏み潰してしまうリスクも伴います。だからこそ、プレイヤーは繊細なバランスを保ちながら、島を探索し、島民と調和しながら進めて行く必要があるのです。
4. 巨人の成長と感情システム
巨人は島中を歩き、島民と交流を持つことで、ハートとドクロのゲージを溜めていきます。
この二つのゲージは、ゲームの進行に深く関わっており、プレイヤーはそのバランスに気を配る必要があります。
ハートゲージが増えると、巨人は成長し、身体が一回り大きくなるだけでなく、その能力も強化されます。
この成長は、島民との友好的な関係が築けた結果です。
一方で、ドクロゲージは巨人の不穏な行動が蓄積されることで増加します。
巨人が島民を不注意に傷つけてしまったり、建物を壊してしまったりすることで、ドクロゲージが溜まっていきます。
この二つのゲージは、常に相反する関係として存在し、片方を選ぶことで、もう片方が減少する仕組みになっています。
この感情システムは、ゲームの終わりがないという『巨人のドシン』の特徴と相まって、プレイヤーに多様なプレイスタイルを提供しています。
何日も続くゲームプレイの中で、どのように巨人を成長させ、どのようにすることで島を発展させるかを試行錯誤する楽しみが広がっています。
プレイヤーは、巨人をうまく操って島民に貢献し、多様なモニュメントを作り上げていくことを目指しています。
これによりプレイヤーは、『巨人のドシン』の世界で、ただのプレイヤーではなく、島の一員としての役割を感じることができるのです。
5. 最後に
さらに、『巨人のドシン解放戦線 チビッコチッコ大集合』というユニークなストーリーもあります。このストーリーでは、プレイヤーは囚われた巨人を解放するために、チビッコたちと一緒に様々なミッションをクリアしていきます。巨人の成長や島民との関係を考え、戦略的に行動する必要があるこのゲームは、多くのユーザーに感動を与えています。
また、異なる色の島民たちが集落を作ると新たな文化が生まれ、音楽や建造物が変化するという要素もゲームに深みを与えています。このように自由な選択ができるゲームデザインがプレイヤーの創造力を掻き立て、『巨人のドシン』は今もなお多くのゲーマーの心を惹きつけています。