
1. 発売の経緯と制作背景
この作品は、『MOTHER』の続編で、コピーライター糸井重里さんが再びデザインとシナリオを手掛けるなど、前作から多くの要素を受け継いでいます。
キャッチコピーは「大人も子供も、おねーさんも。
」という、広い年齢層を対象にした印象的なフレーズが使われました。
特に注目すべきは、広告に俳優の木村拓哉さんを起用したことでしょう。
彼が出演したテレビCMでは、ゲームの内容には触れず、木村拓哉さんと幼稚園児の何気ない会話を描くことで、独特の視点から観客の興味を引くスタイルを採用しました。
これにより、CMは多くの注目を集めることになりました。
発売当初はスーパーファミコン用ソフトとしてリリースされましたが、1997年にはニンテンドーパワーの書き換えサービス用ソフトとしても販売され、その後も多くの異なるプラットフォームに移植されています。
特に2003年には『MOTHER1+2』としてゲームボーイアドバンスで再登場し、多くのファンを喜ばせました。
また、本作は日本国外でも『EarthBound』のタイトルで知名度があり、1995年に北米で発売されて以降、欧州版のリリースはなかったものの、2013年にWii Uのバーチャルコンソールでついに配信されました。
2. ゲームのストーリーと設定
物語は、主人公である少年がオネットという町で家族と共に平穏な日々を過ごしているところから始まります。
ある夜、町の裏山に隕石が落下し、それを皮切りに彼の運命が大きく動き出します。
少年の隣人であるポーキー・ミンチの弟、ピッキーが隕石を見に行ったきり戻らず、少年は彼を捜すためにポーキーと共に山へ向かいます。
そこでは、未来から来たブンブーンというカブトムシのような生き物と出会います。
ブンブーンは、ギーグという宇宙人が地球を侵略しようとしていることを少年に告げ、少年こそが地球を救う鍵であると伝えます。
少年はこのミッションを受け入れ、地球の未来のための冒険の旅へと旅立ちます。
ゲーム内では、プレイヤーが主人公や仲間たちの名前を自由に設定でき、彼らの個性を引き立たせる多様な選択肢が用意されています。
この革新的な要素により、『MOTHER2』はプレイヤー一人一人の手によって物語が紡がれるユニークな体験を提供します。
エジプト風のスカラビや広大な地底世界など、多彩な舞台がプレイヤーを待ち受け、世界観を一層深めています。
本作では、主人公らの住むイーグルランドをはじめフォギーランドなど、現実とどこか懐かしい要素をミックスした魅力的な世界が詳細に設計されており、プレイヤーを終始虜にします。
彼らの旅は、ただの冒険ではなく、友情や勇気、そして未知への挑戦を描く感動的なストーリーラインとなっており、一度プレイしたら忘れられない体験を与えてくれることでしょう。
3. 主要キャラクターとネーミング
選択肢の一つとして表示される名称は、関連書籍や他のゲームシリーズ、特に『大乱闘スマッシュブラザーズ』にも影響を与えています。実際、『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズに登場するキャラクター、「ネス」は、『MOTHER2』でプレイヤーが操作する主要キャラクターの一人であり、その名前もまたゲーム中でユーザーが自由に設定できるものの一つでした。
ゲーム内でのキャラクターの表記は独特で、主人公が「ぼく」、仲間が「おんなのこ」や「おともだち1」、「おともだち2」といったシンプルな名称で表現されています。これらの呼称は、日本独特の柔らかい表現を感じさせ、プレイヤーに親しみやすさとユーモアを提供しています。
このように、『MOTHER2』では、ネーミングの自由さがプレイヤーの創造力を刺激し、自分だけの冒険を作り上げる手助けをしています。さらに、細やかに設計されたキャラクターの名称の選択肢は、ゲーム全体の魅力を引き立て、シリーズの人気を支える一因となっています。結果的に、このようなネーミングの自由度は、『MOTHER2』を時を超える名作たらしめる要素の一つと言えるでしょう。
4. 世界観と冒険の舞台
この作品は、ゲーム内に多くのパロディを含んでいることでも知られています。アメリカのブルース・ブラザーズに似た「トンズラブラザーズ」というバンドが登場したり、ビートルズの『イエロー・サブマリン』を連想させる「黄色いサブマリン」が出現するなど、細かな部分にまで遊び心が散りばめられています。また、広告には有名な俳優である木村拓哉が起用されるなど、ゲーム外でも注目が集められました。
『MOTHER2 ギーグの逆襲』は、その豊かな舞台設定や多彩なパロディネタによって、発売から何年たった今でも多くのファンに愛され続けています。これら多彩な要素が、プレイヤーに独特な冒険体験を提供し、ゲームの世界観をより立体的に深めています。