1. ゲーム概要
ゲームは、実在のプロ野球チームをモデルにした球団を選手名を改変し登場させることで、ライセンスの問題を回避しています。
女性選手のみで構成される「アイドール」や、平成元年版で追加された「エンターズ」などのユニークなチームが含まれています。
このように、多彩な球団を操ることができる点が魅力の一つです。
また、普通の野球ルールとは異なるアレンジも施されています。
例えば、ファウルチップがアウトになる、インフィールドフライがない、ハーフスイングが全て空振りと判定されるなど、通常の野球とは一風変わった体験が提供されます。
これにより、プレイヤーは独特の緊張感を味わうことができます。
特徴的なのは、ピッチャー有利の設定下でプレイすると、バッターの打率が現実のプロ野球とほぼ同じ平均3割に収まる点です。
さらに、デッドボールによる乱闘イベントや謝って防ぐことができる小イベントが盛り込まれ、試合には予測のつかない展開が待っています。
ペナントモードでは、選手の能力が成長し、魔球を習得できます。
成長が戦略の鍵となるこのモードは遊びごたえ充分です。
作品はシリーズ化され、いくつかのバージョンがリリースされています。
初代から平成元年版、そしてIIIに至るまで、少しずつルールやグラフィックが進化しています。
ファミコン時代の象徴的な野球ゲームとして、いまだに懐かしむ声が多いのも頷けます。
評価については賛否両論で、ファミ通クロスレビューでは28点を獲得していますが、一方では他の野球ゲームの要素を取り入れすぎたとして「パクリゲー」と非難されることもありました。
それでもなお、独自の魅力で多くのファンに愛され続けてきた作品といえるでしょう。
2. オリジナルの球団・選手名
このゲームでは、実在する日本プロ野球選手の本名をそのまま使用することができなかったため、選手名をユーモラスかつ巧妙にアレンジしています。例えば、実在の選手である「小川淳司」は「おがわじ」、「杉浦亨」は「すきうら」など、微妙に変えた名前が付けられており、これはファンをクスリとさせる要素の一つです。このような工夫により、ゲームをプレイするたびに新鮮で楽しい体験が味わえる設定となっています。
3. 独自のゲームルール
まず、ファウルチップがアウトになるという仕様は、実際の野球のルールとは大きく異なります。
通常、ファウルチップはカウントに加えられるだけですが、このゲームではその瞬間にアウトとして扱われるため、プレイする際の緊張感が一層増します。
また、このゲームにはインフィールドフライというルールが存在しません。
一般的に、インフィールドフライは内野手が捕球可能な位置に打球が飛んだ際に自動的に打者がアウトになるルールですが、究極ハリキリスタジアムではその要素を排除しており、打者にとって有利な展開になることがあります。
さらに、ハーフスイングがすべて空振りとして扱われるため、微妙なバットの動きにもシビアに対応しなければならず、プレイヤーの技術が試されます。
これらの独特なルール設定は、一見不利に思える場合もありますが、逆に戦略の幅を広げ、リプレイ性の高さにつながっています。
だからこそ『究極ハリキリスタジアム』は、当時のゲーマーにとって斬新でスリリングなゲーム体験を提供し続けています。
4. 特徴的なゲーム要素
さらに、ペナントモードでの選手成長システムも特筆すべきポイントです。このモードでは、選手たちが試合を重ねるごとに経験を積み、能力を向上させることが可能です。成長した選手は魔球を習得することができ、チームを大いに助力します。選手の成長過程を見守る楽しみも、このゲームならではの魅力です。これらの要素は、究極ハリキリスタジアムを単なる野球ゲーム以上の作品へと昇華させています。
5. 総評と評価
こうした革新的な試みは、ただ単に他のゲームを模倣するだけでなく、独自のプレイ体験を構築することに成功しました。この要素が、多くのプレイヤーに長く愛される理由の一つなのです。ですから、究極ハリキリスタジアムは、単なるパクリに留まらず、本当に独創的な野球ゲームとして高く評価され続けています。
6. 最後に
ユニークなのは、ゲーム内で乱闘が発生することもある点です。デッドボールを受けた際に、選手たちが激しくぶつかり合う様子は、まさにプロレスさながらです。ペナントモードでは、選手の能力を強化することができ、成長すると驚異的な魔球を投げられるようになります。選手の調子はアイコンで示され、プレイヤーは戦略を練る要素も楽しむことができます。
このゲームは、戦略性と娯楽性を兼ね備え、ファミ通クロスレビューでは28点を獲得しました。しかし、競合する他の野球ゲーム、例えば「ファミスタ」や「燃えろ!!プロ野球」の要素を取り入れたため、コピーキャットと批評されることもありました。それでも、独自の魅力を持つ『究極ハリキリスタジアム』は、多くのファンに愛され続けています。